似たような和名を持つ植物「シデコブシ」と「コブシ」ですが、どのような違いがあるのでしょうか?
この記事では、「シデコブシ」と「コブシ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「シデコブシ」とは?
「シデコブシ」とはモクレン科モクレン属に分類される植物のことです。
日本原産であり、愛知県や岐阜県、三重県のうちのさらに限られた地域にしか自生しておらず、希少な植物として扱われています。
漢字では「四手辛夷」と書き、白く細長い花被片が「四手、紙垂」=「シデ」に似ていることに加え、花の姿が後述する「コブシ」に似ていることから「シデコブシ」の和名がつけられました。
花の色は白からピンクを帯びており、「ヒメコブシ」とも呼ばれる他、花の色に赤みがあるものは「ベニコブシ」の名でも呼ばれています。
「コブシ」とは?
「コブシ」とはモクレン科モクレン属に分類される植物のことです。
日本国内では北海道から九州地方まで分布しており、国外では韓国の済州島に分布しています。
和名の由来には諸説あり、ツボミや果実の形が握り拳に似ていることやツボミが花開く様が握り拳を開くように見えることが挙げられています。
漢字では「辛夷」と書きますが、「辛夷」は中国語で「モクレン」という意味です。
「コブシ」以外にも「コブシハジカミ」や「ヤマアララギ」、「タネマキザクラ」や「タウチザクラ」など様々な名前で呼ばれています。
「シデコブシ」と「コブシ」の違い
「シデコブシ」と「コブシ」の違いを、分かりやすく解説します。
「シデコブシ」と「コブシ」はいずれもモクレン科モクレン属に分類される植物であり、近縁種に当たりますが、主に以下の違いがあります。
・「シデコブシ」は白からピンクを帯びた花をつけるが、「コブシ」は白い花をつける。
・「シデコブシ」の花弁は12枚から30枚あるが、「コブシ」の花弁は6枚。
・「シデコブシ」は8mほどの高さまで生長するが、「コブシ」は20mまで生長する。
まとめ
「シデコブシ」と「コブシ」は近縁種の植物ですが、花や生長する高さに主な違いがあるということでした。
ちなみに、日本固有の希少種である「シデコブシ」は自然個体群減少の影響から絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定されています。