この記事では、「昏睡」と「植物状態」の違いを分かりやすく説明していきます。
「昏睡」とは?
「昏睡」は「こんすい」と読み、意識障害の一つを意味している言葉です。
「昏睡」は外部からの刺激に対して反応を示さなくなる状態で、意識障害の中でも最も重いものとされています。
「昏睡」の中には痛みなどの強い刺激に一切反応しなくな状態のもを「深昏睡」と言われます。
似た症状に「混迷」が挙げられますが、こちらは対象の人に対する刺激に対しては反応を示すため、「昏睡」とは気別されます。
「植物状態」とは?
「植物状態」は「しょくぶつじょうたい」と読み、大脳の全面的または広範囲の壊死によって発症する症状です。
遷延性意識障害や持続的意識障害、持続的植物状態とも呼ばれます。
「植物状態」には1自立移動の不可2自力摂取の不可3糞尿の失禁症状4発声が意味不明である5ほとんど意思疎通が不可能6眼球が動いていても認識ができないという6つの項目が3カ月以上続いた場合に、「植物状態」と認められます。
脳に物理的及び病的な重大な損傷が起こった場合に発症しますが、脳幹部分は生きているので最小限の声明維持が行われる脳死とは区別されます。
「昏睡」と「植物状態」の違い
「昏睡」の状態から「植物状態」に移行する事もあり、「昏睡」と「植物状態」は密接に関係していまが、両者は明確に区別されます。
「昏睡」に至る場合は、さまざまな物理的あるいは病的なものが原因で、痛みや刺激に全く反応を示さない状態の事を指します。
一方「植物状態」は生命維持に最低限必要となる脳幹は生存しているので、自発呼吸や睡眠などのサイクルは保たれています。
場合によっては刺激に対して反応し、自発的に動くことも認められます。
まとめ
「昏睡」と「植物状態」は区別されている症状です。
生命維持に必要な脳幹が損傷し、自発的な生命活動が行えない状態である「脳死」とも異なる状態です。
いずれにしろ、重篤な症状であることには違いありませんが、「植物状態」の患者は、稀に回復している例も認められています。