「暴論」と「極論」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「暴論」と「極論」の違い生活・教育

この記事では、「暴論」「極論」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「暴論」と「極論」の違い

「暴論」「極論」の違いは、正しいか、正しくないか、ということが言えます。

言っていること、話していることの筋が通っていない、論理的に正しくないといった意味がある「暴論」に対し、「極論」の場合は、考え方が一方に偏っているものの、論理的には正しい意味となります。

もっと言えば、「暴論」は常識的におかしなこと、非常にいい加減なこと、を意味し、「極論」は、非現実的ではあり、非常に極端な内容を意味します。

このように、常識的には考えられないといった意味を持つ「暴論」「極論」

しかし、少し、その意味の内容は異なります。

そんな、「暴論」「極論」について、より詳しくお話しさせて頂きます。


「暴論」と「極論」の使い方の違い

「暴論」「極論」も使い方としては、過激な使い方が多くなります。

また、決して、良い意味で使用されることはなく、マイナスの意味で使用されるといった使い方は共通です。

そのうえで、言われた内容において、論理的に正しいのか、正しくないのか、によって使い分けが必要となる「暴論」「極論」

例えば、子供がテストの点数を上げたいと思っていたとします。

その答えとして、「テストなんて関係ない。

勉強なんてする必要がない」
という返答は、論理的に正しいとは言えません。

これは、「暴論」と言えます。

一方、「テストなんて、関係ないところに行けばいい。

そうすれば、テストの点数も気にする必要はない」
という返答は、確かにそうすれば、テストの点数など気にする必要はなく、論理的に正しいと言えますが、非常に極端な返答となり「極論」となります。

このように、内容が論理的に正しいか、正しくないか、を踏まえた使い方が必要な「暴論」「極論」です。


「暴論」と「極論」の英語表記の違い

「暴論」の英語は、〈乱暴な〉 a wild argument、〈根拠のない〉 a groundless argument、〈馬鹿げた意見〉 an absurd remarkです。

「暴論を吐く」は、make a wild [an absurd] remark
「君の言うことは暴論だ」は、That’s an absurd statement.
Your argument is quite irrational. となります。

「極論」の英語は、carrying logic to extreme、extreme logicです。

「極論を言えば」は、in an extreme case [instance] 「極論を持ち出す」は、come up with extremeとなります。

「暴論」の意味

話の筋や言っていることの筋が道理から外れている考え、乱暴的な意見、話している内容が論理的が正しくない「暴論」

そのため、「暴論」は非常識なこととなり、また、言っていることが無茶苦茶だということとなります。

「暴論」の使い方

「暴論」の使い方には、「暴論を吐く」「暴論にみえる」「国の暴論」「明らかな暴論」、など、論理的に正しくないことをいう、いっている、といった意味で用いられることとなります。

「暴論」を使った例文

・『ネット上には暴論すぎるコメントが多く寄せられている。』
・『暴論を吐くことで批判されることは多い。』
・『どんなことに対しても暴論を吐く人という人は、結果、誰からも相手にされなくなってしまう。』
・『彼が言っていることは、暴論でしかない。』

「暴論」の類語

「暴論」の類語には、「暴言」「曲論」「暴挙」「横暴」などがあります。

「暴言」には、乱暴な言葉という意味があり、「曲論」には、間違っていることを正しいと議論するといった意味があります。

また、「暴挙」には、乱暴な振る舞いといった意味があり、「横暴」「暴挙」と同じような乱暴な行いといった意味があります。

そのほか、身近な言葉で言えば、「非常識な」「型破り」「理不尽」などが「暴論」の類語となってきます。

「暴論」の対義語

「暴論」に対する対義語はありません。

「極論」の意味

非常に極端な意見、言い方、議論、論理的に正しいものの考えや意見が一方に偏っているといった意味を持つ「極論」

そのため、「極論」は、極端な意見や話とも言えます。

「極論」の使い方

「極論」の使い方には、「極論を言えば」「極論すぎる」「極論で語る」「極論的」「極論主義者」「極論で考える」など、論理的には正しいものの、その内容は極端に偏っているといった使い方となっています。

「極論」を使った例文

・『親から極論を言われるほど、腹が立つことはない。』
・『極論する意見は、大勢の人を納得させることは難しいが、時には正しい意見を言っていることも多い。』
・『極論で言えば、私は、読み書き計算ができれば生きていくことはできると思っています。』
・『なぜ、彼は、いつも、喧嘩になると極論しか言わないのか。』

「極論」の類語

「極論」の類語には、「極言」「極力」「極端」があります。

「極言」は、極端な言い方、遠慮がない言い方を意味する言葉で、「極力」は、できる限りといった意味、「極端」は、普通から大きく外れていることといった意味があります。

「極論」の対義語

「極論」の対義語として考えられるのは、「一般論」「模範的」です。

「一般論」とは、多くの人の考え、共感されるものという意味となり、偏りのない意見となります。

「模範的」は、お手本という意味があり、「模範的」の場合、対義語になる一方、時には類語としても使用することが可能な言葉となります。

まとめ

以上が「暴論」「極端」の違いです。

どちらも、さほど、良いイメージがない言葉となり、「暴論」の方がより激しく悪いイメージの言葉となります。

もちろん、それだけではなく明確な違いがあり、論理的に正しくない、筋が通ってないことを「暴論」

論理的には正しいものの、極端な考え、意見が「極論」といった違いがあります。