教育のテーマなどで「諭す」や「叱る」という表現をよく見聞きしますが、2語にはどんな違いがあるのでしょうか?
この記事では、「諭す」と「叱る」の違いを分かりやすく説明していきます。
「諭(さと)す」とは?
「諭す」とは、主に「目下の相手に対し、物事の筋道を分かるように教え導くこと」や「目下の相手が納得するように話し聞かせること」を意味する言葉です。
他に「神や仏が警告や告知すること」という意味も含まれており、「諭す」とは本来こちらの意味を指す言葉でした。
そこから転じて、「教え導く」や「話し聞かせる」という意味が主要な言葉となっていったようです。
「叱(しか)る」とは?
「叱る」とは、「相手の間違いを指摘し、注意すること」を意味する言葉です。
「諭す」と「叱る」の違い
「諭す」の意味するところは「物事の道筋や道理を説いて教え導くこと」であり、「間違いを注意する」というニュアンスは含まれません。
逆に、「叱る」の意味するところは「相手の間違いを注意すること」であり、「相手を教え導くこと」や「相手に話し聞かせること」というニュアンスは含まれません。
ちなみに、どちらも目上の者が目下の者へ行う行為を指すので、目下の者から目上の者へ行う行為として「諭す」や「叱る」を使うと、非常に失礼な表現になるので注意しましょう。
「諭す」の例文
・『物を壊してしまった子供を母親は優しく諭していた』
・『苦手な勉強に打ち込むことができたのは、あのとき先生が諭してくれたおかげだ』
「叱る」の例文
・『子供の頃は、よく宿題を忘れて先生に叱られていたものだ』
・『教育において、感情的に怒るのと冷静に叱ることは全く違うとされている』
まとめ
「諭す」は主に「教え導くこと」や「話し聞かせること」を指し、「叱る」は主に「注意すること」を指すという点に2語の違いがありました。