この記事では、「議論」と「討論」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「議論」と「討論」の違い
この2つの言葉は意見を出し合うという意味では同じであるので、混合して使用している人も多いかもしれません。
「議論」は複数の人が集まってひとつの結論を出すという意味があり、「討論」は賛成の意見と反対の意見を持った人たちが集まり、どちらの意見の方が正しいのかを決める話し合いのことを言います。
2つの言葉の大きな違いは、結論をひとつにまとめることが目的なのか、どちらの意見が正しいのかを決めるのが目的なのかどうかです。
「議論」と「討論」の使い方の違い
複数の人たちが集まり、さまざまな意見を出し合いながらひとつの結論を出したいときには「議論」という言葉を使います。
ある賛成と反対の意見がある話し合いに関して、どちらか一方に決めなくてはいけないときには「討論」という言葉が使われます。
話し合いを行う方法や目的が違うので、それぞれに合った方法を選ぶ必要があります。
「議論」と「討論」の英語表記の違い
英語表記では、「論議」は議論する、話し合いを行うという意味を持つ“discuss”と表し、「討議」は討論するという意味のある“debate”と表します。
日本語と同じくそれぞれの意見を出し合いながら結論を出すことを“discuss”、2つに分かれてそれぞれの意見や考えを出すことを“debate”と表します。
話し合いの方法によってどちらで表すかが違います。
「議論」の意味
複数の人が集まって話し合いを行いひとつの結論を出すことを言います。
いろいろな観点を持つ人が集まって意見を言い合い、より良い結果を出すことが目的としたものです。
ひとりだけでは決められないことをいろいろな立場の人の意見を聞くことにより、良い結果を導くことができます。
漢字の意味としては「議」は相談をするという意味があり「論」は考えという意味を持つことから、考えたことを相談するという意味になります。
「議論」の使い方
いろいろな観点を持つ人たちが集まり、さまざまな意見を出し合いながらひとつの結論を出したいときに使われる言葉です。
話し合っている人たちが決めた結論が結果となるので正解というものはなく、意見を複数人で出し合いながら解決する方法を考えるために行うものです。
「議論」を使った例文
・『今月中に結論を出したいので、議論を重ねている。』
・『新しい商品を開発するために、議論を行っている。』
・『議論をしていたが行き詰ってしまったので、続きは明日行うことにした。』
・『議論を行ったおかげで、より良い結果が出たので良かった。』
「議論」の類語
意見を述べ合うという意味の「討議」や、論じ合うという意味の「弁論」などが類語として使われています。
同じ「論」の字が使われている「論議」や「論争」などもあります。
いずれも意見を出し合うという意味を持つ言葉が多いようです。
「議論」の対義語
「議論」の対義語として直接的に当てはまる言葉はないようです。
「討論」の意味
賛成の意見と反対の意見を持った人たちが集まり、どちらの意見が正しいのかを決める話し合いのことを言います。
意見が決められなかったり保留にするということは認められず、必ずどちらかの一方に決めなくてはいけません。
自分がどちらの立場であるのかを明確にして、自分の意見をしっかり主張する必要があるのです。
漢字の意味としては「討」は相手のことを倒すいう意味があり「論」は考えという意味を持つことから、考えを言い合い相手を倒し勝ち負けを決めるいう意味になります。
「討論」の使い方
ある賛成と反対の意見がある話し合いに関して、どちらか一方に決めなくてはいけないときに使います。
日常生活で行われることは少なく、ビジネスシーンやテレビ番組などで「討論会」として行われることが多いようです。
また、学校の授業の一環として思考能力を高めるために行うこともあります。
「討論」を使った例文
・『どちらが正しいのか決めるために討論をする。』
・『テレビで討論会が行われていたので視聴した。』
・『どちらが提案したプランにするか、討論をして決定した。』
・『問題を解決する為に、以前から討論を重ねている。』
「討論」の類語
同じく「討」という字が使われていて、意見を出し合い結論を出すという意味を持つ「討議」が類語として使われています。
意見を論じ合うという意味の「弁論」や意見を言い争うという意味の「論争」などもあります。
「討論」の対義語
「討論」の対義語として直接的に当てはまる言葉はないようです。
まとめ
どちらも意見を出し合うという意味では同じで似ている言葉ですので、混合して使用していたり間違えて使っている人も多いかもしれません。
大きな違いは、話し合いの方法や目的です。
ひとつの結論を出すことが目的なのは「議論」、どちらの意見の方が正しいのかを決めるのが目的なのが「討議」になります。
しっかりと違いや使い方を理解し、それぞれに合った方法を選ぶ必要があります。