「世に言う」と「俗に言う」の違いとは?分かりやすく解釈

「世に言う」と「俗に言う」の違い生活・教育

この記事では、「世に言う」「俗に言う」の違いを分かりやすく説明していきます。

「世に言う」とは?

「世に言う」とは世間一般に知名度のある表現として解釈されている物事に対して使われる言葉です。

『早寝早起きを心がけている、世に言う早起きは三文の得だ』 『東北地方に旅行中大地震に巻き込まれた、世に言う東日本大震災だ』 というように世間一般に定着している慣用句であったり、有名な事件や出来事や物事に関して正式な呼称で呼ぶ時に使われます。

世間一般で有名な呼び方であったりそういう名前だと認識されている物事の正しい名前について言う時に使われるので、それ自体は世間一般に知られているけれど正式名称は大して知られていないものの正式名称を付けて「世に言う」と言うことはありません。


「俗に言う」とは?

「俗に言う」とは世間一般でそう呼ばれているという意味で使われる言葉です。

『現場に落ちていた携帯電話端末、俗に言うスマホだ』 『トラブル対応で一睡もできなかった、俗に言う完徹だ』 というように正式名称ではない俗称であったり、スラングや俗語として広まっている言葉などにも使えます。

慣用句であってもその表現が世間一般で使われているなら「俗に言う」という表現が可能です。

また世間一般的にはこう呼ばれているけれど今いる業界ではこう呼ばれているという表現としても使われ、合わせて使う言葉の範囲が非常に広い言葉になります。

使える言葉の範囲が広いので「世に言う」より使われる機会も多いでしょう。

本来は正式名称ではなく俗語や俗称でそう呼ばれているという言葉に使われるのが正しい言葉ですが、世間一般でそう呼ばれているなら正式名称であって「俗に言う」何々と表現することも多い言葉です。


「世に言う」と「俗に言う」の違い

「世に言う」「俗に言う」の違いを、分かりやすく解説します。

先に言及した物事の正式名称に対して使われるのが「世に言う」で、俗称や俗語に対して使われるのが「俗に言う」です。

ただし慣用句のように「世に言う」「俗に言う」どちらでも間違いではない言葉もありますし、世間一般で広まった呼び方なら正式名称でも「俗に言う」という表現が使われることも少なからずあるので、「俗に言う」が使われる機会の方が多い言葉です。

「世に言う」は正式名称として世間に定着し一般化した名称に対して使われ、「俗に言う」は正式な名称や表現かは別として一般的に使われている言葉に対して使われる言葉と言えるでしょう。

まとめ

正式名称に使われる「世に言う」と俗語に使われる「俗に言う」というのが本来の違いなのですが、「俗に言う」が一般的な呼称として使われている正式名称にも使われる表現なので、「世に言う」「俗に言う」の境界は曖昧になっています。

そのため言葉の意味を知っている人でも前後の言葉と並べて収まりの良い方を使うという人もいますし、そのせいでさらに言葉の境界があやふやになっているとも言える言葉です。