この記事では、「特性」と「性能」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「特性」と「性能」の違い
「特性」とは、他のものにはない、そのものだけが持っている性質のことです。
「性能」とは、機械や道具などが何かを成し遂げる能力のことです。
「特性」には、そのものだけが持つ性質という意味がありますが、「性能」にはそのような意味は含まれていません。
たとえば、手で使う泡立て器は、メレンゲを作るなど泡立てることができる能力を持っています。
これは、泡立て器の「性能」といえるでしょう。
しかし、泡立てる能力は手で使う泡立て器だけでなく、電動の泡立て器やミキサーなどにも備わっています。
そのため、泡立てることは、泡立て器の「特性」ではありません。
「性質」とは、備わっている特徴のことで、能力のことだけを指しているのではありません。
「特性」は能力、適性、性質、性能、特徴についてをいい、能力のことだけではない点も「性能」と意味が異なります。
「特性」と「性能」の使い方の違い
そのものだけが持つ性質のことを指して「特性」を使用します。
広くさまざまなものに当てはまることには使用しません。
機会や道具などの何かを成し遂げる能力のことを指して「性能」を使用します。
人には使用しません。
「特性」と「性能」の英語表記の違い
「特性」は英語で“characteristic”と表現をします。
「性能」は英語で“performance”や“efficiency”と表現をします。
「特性」の意味
「特性」とは、他のものにはない、そのものだけが持っている性質です。
「性質」には、備わっている特徴という意味があり、「特徴」には、きわだって目立つところという意味があります。
「特性」が指している性質は、能力、適性、性質、性能、特徴についてです。
金という金属で考えてみます。
金は酸化しにくい性質があり、私たちが普段暮らす環境では酸化することがありません。
これは他の金属では見られないような性質です。
このようなことを指して「特性」といいます。
その他にも、金には薄く伸ばすことができる、合金にすることが容易である、熱伝導性や電気伝導性に優れているといった特徴があります。
アニメのキャラクターで、人の心を読むことができるキャラクターがいたとします。
そのアニメの中で、人の心を読むことができる能力を持っているのは他にいません。
これは、キャラクターの「特性」といえます。
「特性」の使い方
他の物にはない性質のことについて使用をします。
「特性」が指している性質とは、能力、適性、性質、性能、特徴についてです。
その性質から何が生じるかという意味を含めて使われることがあります。
「特性」は、人にも物にも使うことが可能です。
「特性」を使った例文
・『特性を考慮して他の素材と組みあわせる』
・『彼の特性が活かされるような配属をする』
・『猫の特性を理解する』
・『特性にあわせたメンテナンスをする』
「特性」の類語
「個性」「特質」が類語です。
「個性」には、そのものに備わっている固有の性質という意味があります。
物にも使うことができますが、人間について使うことが多い言葉です。
「特質」は「特性」と同じような意味です。
「特性」の対義語
「凡庸」が対義語です。
平凡でとりたてて優れた点がないという意味になります。
「性能」の意味
「性能」とは、機械や道具などが何かを成し遂げる能力のことです。
スマホによっては、「防水性能」というものがついています。
「防水性能」とは、水に耐えることができる能力のことです。
スマホは機械、水に耐えることは能力で、これを「性能」といいます。
「性能」はそのもの自体の能力のことを指しています。
たとえば、「エンジンの性能」という場合は、エンジンそのものの能力のことを指しており、ある機構の全体での役割の意味ではありません。
「性能」の使い方
何かを成し遂げる能力のことを指して使う言葉です。
人間については使用せず、機械や道具の能力について使用をします。
「性能」を使った例文
・『ゲーム内で武器の性能を上げることができる』
・『熱への耐性が高い性能を備えている』
・『性能を比較する』
・『従来品に比べて性能が向上している』
「性能」の類語
「機能」が類語です。
あるものが備えている働きという意味があります。
ある機構全体の中での役割という意味で使われることが多いです。
人にも物にも使うことができる言葉です。
「性能」の対義語
「無能」が対義語です。
能力や才能がないという意味を持っています。
「性能」は機械や道具について使用する言葉ですが、「無能」は人について使用する言葉です。
まとめ
どちらの言葉にも「性」という漢字が使用されており、何となく同じ意味の気がしますが、それぞれの言葉が持っている意味は異なります。