イタドリもすかんぽも、野山や土手、道端など色々なところで見かける植物です。
イタドリとすかんぽの違いを紹介します。
イタドリとは?
イタドリはタデ科に属する多年生植物で、日本各地に生息しています。
背丈が2mを超えることもある大型の多年生植物で、新芽は赤紅色です。
北海道をのぞき、本州から奄美大島まで幅広く分布しています。
繁殖力が高く、成長も早いという特徴があります。
日本から持ち込まれたヨーロッパ等では、外来種として駆除の対象になっています。
しかし、日本では春先の若芽を食用にしていますし、薬用としても使われてきた歴史があります。
イタドリの語源は「痛み取り」にあるとされ、傷口にイタドリの若葉を揉んでつけておくと痛みを和らげることができるとして重宝されてきました。
止血作用もあるため、傷薬として使われてきたのです。
また、イタドリの根の部分にはポリゴニンという成分が含まれています。
ポリゴニンはエモジンやエモジンメチルエーテルといった成分に変化し、生理不順を改善したり膀胱炎などの症状を改善する効果があります。
食用になるのは新芽で、成長すると茎が硬くなってしまうので柔らかいうちに食べます。
生でも食べられますが、湯通しして炒め物にしたりもします。
すかんぽとは?
すかんぽは、イタドリの別名です。
漢字では「酸模」と書きます。
また、すかんぽは食用になる新芽や茎を指している場合もあります。
口にすると酸味があるため「酸模」という名前がついたと考えられます。
また、茎を折った時に「ぽん」という音がすることから、すかんぽと呼ぶようになったという説もあります。
すかんぽの新芽は外皮を取り除いてそのまま食べたり、炒め物や肉や魚と一緒にに着けたりして食べます。
また、天ぷらにして食べることもあります。
塩漬けにすると長期保存が可能なので、保存食としても利用されてきました。
ただし、すかんぽにはシュウ酸が含まれており、食べ過ぎると下痢を引き起こすので注意が必要です。
また、地域によってはスイバという植物をすかんぽと呼ぶこともあります。
スイバにも酸味はありますが、イタドリとは全く違う植物です。
イタドリとすかんぽの違い
イタドリとすかんぽは全く同じ植物です。
地域によって呼び名が異なるため、2つの名前が存在しているのです。
イタドリやすかんぽ以外にもダンチやタンジ、スッポン、イタンポなど様々な呼び名があります。
日本書紀にも登場しますが、「多遅花」という表記になっています。
これは花が咲くのが夏から秋と遅いからです。
また、すかんぽは食用になる若芽や茎のことを指す場合もあります。
日本では昔から食用として食べられてきました。
まとめ
イタドリとすかんぽは全く同じ植物で、タデ科に属する多年草植物です。
地域によって呼び名が異なっています。
イタドリの語源は「痛み取り」にあり、傷の痛みを和らげる効果があることから名づけられました。
すかんぽ(酸模)は口にすると酸味があることから名づけられたとされます。