時候のあいさつで用いられる言葉に「季節柄」と「時節柄」があります。
このふたつの言葉にはどのような意味の違いがあるのでしょうか。
今回は、「季節柄」と「時節柄」の違いについて解説します。
「季節柄」とは?
「季節柄」とは、「季節にふさわしいこと」を意味する言葉です。
「季節柄」の使い方
「季節柄」というのは「季節であるゆえに」という意味で使われます。
季節であることを理由や原因にするときに用いられる表現で主に手紙のあいさつ文や結び分などに用いられる表現です。
「季節柄」という言葉はその季節にマッチしていることとセットで使用されます。
「春であるから」「夏だけに」「秋といえば」「冬ならでは」といったようなその季節であることが原因や理由になっていることに対して用いられる表現なので「温かい日が増えてきた」「水の事故が増えてきた」など季節に関連する変化や現象などをあらわす内容と組み合わせて用いられます。
「季節柄」というのは前提として「季節ならでは」という常識の共有が必要です。
春の暖かさや冬の寒さなど常識として知っているべき季節ごとの特徴をふまえた内容が続くのでまったく季節についての知識がない人に対して用いても意味が通じません。
必ずしも厳密な関連性は必要なく、なんとなく季節のせいであると考える場合も「季節柄」の一言で説明が済まされます。
「時節柄」とは?
「時節柄」とは、「時節にふさわしいこと」を意味する言葉です。
「時節柄」の使い方
「時節柄」の「時節」とは「時々の情勢」「時代ごとの雰囲気」など「特徴を含めたおおよその時間区分」を意味します。
「時節柄」というのは「時代の特徴や有り様にふさわしいこと」を意味する言葉でありその時ならではの事柄などの理由付けや原因を説明する際に用いられます。
例えば「世界的に感染症が流行している」というのは他の時代にはない今の時代ならではの特徴であり「時節」にあたります。
「時節柄こまめに手指を消毒している」という言い方はこのような時代の特徴を踏まえた上で成立しています。
「時節柄」が具体的にどのような内容を表しているのかはそれぞれ異なります。
同じ時代であっても切り取り方によって特徴や性質は異なります。
2022年における「時節柄」には「パンデミック」「経済不安」「ジェンダー平等」などさまざまな要素が含まれているので読み解く場合は時代のどの面を取り出しているのかを見ないと誤解を招くので注意が必要です。
「季節柄」と「時節柄」の違い
「季節柄」と「時節柄」の違いは「時間区分」です。
「季節柄」は春夏秋冬の四季ごとの雰囲気や様子にふさわしいことを表す言葉で1年を4つに区分するのに対し、「時節柄」は時代における出来事の雰囲気や様子を表す言葉なので時間の長さに決まりはありません。
巡る季節に対するふさわしさが「季節柄」、時々の出来事や雰囲気に対するふさわしさが「時節柄」という違いで区別されます。
まとめ
「季節柄」と「時節柄」日常ではあまり使われませんが手紙やあいさつ文などでよく登場します。
ビジネスではスピーチや礼状などで度々使う言葉なので意味の違いをしっかり覚えておきましょう。