世間で用いられ、認められていることを、「まかり通る」と言いますか、それとも「通用する」と言いますか。
この記事では、「まかり通る」と「通用する」の違いを分かりやすく説明していきます。
「まかり通る」とは?
「通用する」を強めて言う言葉です。
良くないものが堂々と世間に通用する、行われるという意味になります。
「通用する」とは?
広く一般に用いられること、世間一般に理解され、受け入れられること、また有効なものとして認められることです。
「まかり通る」と「通用する」の違い
「まかり通る」と「通用する」の違いを、分かりやすく解説します。
「まかり通る」と「通用する」は、両方とも世間に認められるという意味では同じですが、使い方が違います。
「まかり通る」は「通用する」の意味を強め、悪い行為が世間に認められてしまうというように用いられますが、「通用する」は良いことや正しい行為のときでも使われます。
「まかり通る」の例文
「まかり通る」の例文を紹介していきます。
・『私はそんな嫌がらせがまかり通るような会社で働きたくありません』
上司から受けるパワーハラスメントなど、部下が安心して働けないことが当たり前になっているような会社は、嫌がらせが「まかり通る」場所になります。
「通用する」にも言い換えられますが、「まかり通る」の方が怒っている気持ちを表せます。
・『そのようなわがままが社会でまかり通ると思いますか』
学生のときは宿題を提出しなくても先生に怒られるだけで済み、まかり通っていたことが、社会人になってから期限に間に合わないようなことをすると、周囲に多大な迷惑をかけ自己責任では済まされないこともあるでしょう。
「通用する」でも言い換えられます。
・『彼は私に嘘をついてもまかり通ると思っているようです』
嘘をつく癖がある人は、相手にばれないことが続くと、どんどん嘘をつくようになり、誰に対しても「まかり通る」と思うようになります。
「通用する」でも表せます。
「通用する」の例文
「通用する」の例文を紹介していきます。
・『私の英語力ではアメリカで通用しませんでした』
日本人同士では通用していても、アメリカ人の英語の速さに驚き、自分の英語力ではなかなか伝わらず聞き取れない、通用しなかったと感じることもあるでしょう。
「まかり通る」は悪い行為に使うため、言い換えられません。
・『このカードは多くの店で通用し、ポイントを貯められるため便利です』
有効なものとして認められることも「通用する」と言います。
「まかり通る」は適していません。
・『彼女の抜群の歌唱力は芸能界でも通用するでしょう』
その人にとって今いるところよりも厳しい世界で生きていけるか考えるときに「通用する」を使うことは多くなります。
まとめ
「まかり通る」と「通用する」は両方とも広く一般に認められるという意味ですが、使い方が違います。
「まかり通る」は悪い行為で使い、「通用する」は悪い行為だけでなく良い行為にも使います。
悪い行動は早めに慎み、「まかり通る」かどうか試してはいけませんが、「通用する」かどうか分からないことは、ずっと迷っていても何も変わりません。
できる限り努力した上で試してみましょう。