同じ読み方のため間違いやすい「信任」と「信認」の違いは何か。
この記事では、「信任」と「信認」の違いを分かりやすく説明していきます。
「信任」とは?
「信任」は、信じて任せると書きます。
その書き方の通り、信頼・信用しものごとを任せることを意味します。
他人を信じ何かを任せる行為そのものが「信任」です。
単に信じるだけではなく信じたうえで何かを任せるまでがセットとなる言葉です。
言い換えれば「信用」や「委任」「頼る」「任せる」などと同じです。
「信任」の使い方
「信任」は「信任する」や「信任を得る」などといった使い方のほか、様々な言葉があります。
「信任投票」や「不信任案」「不信任決議案」「信任選挙」などがあります。
自分が信頼することができる人に何かを任せる際に「信任」を用います。
「信認」とは?
「信認」は、信じて認めると書きます。
その書き方の通り、信頼し認めることが「信認」です。
誰かを信じ、そして、その人やそのことを認める行為が「信認」となり、必ず信じるだけではなく認めるまでがセットとなります。
言い換えれば「信用」や「信拠」「信頼」などと同じです。
「信認」の使い方
「信認」は「信認を得る」や「信認の回復」などといった使い方のほか、様々な言葉があります。
「信認関係」や「信認金」「信認義務」「信認低下」「信認維持」などがあります。
ものごとの価値やその人が持つ能力などに対し「信認」を用います。
「信任」と「信認」の違い
「信任」も「信認」も、読み方は「しんにん」とややこしくなっています。
そのため、同じ意味もしくは片方の漢字のみで用いられてしまうこともありますが、それぞれが持つ言葉の意味には微妙な違いがあるため必ず使い分ける必要があります。
「信任」は信じて任せること。
そして、「信認」は信じて認めること。
この任せる行為と認める行為に大きな違いがあります。
信じるといった共通点があるなかで、その後に続く意味に違いがある言葉となります。
それぞれに異なった意味があるため、置き換えて用いることなどできません。
「信任」の例文
・『先生からの信任が厚い彼はクラスでも中心人物です』
・『内閣の不信任決議の内容が私には気に入りません』
・『先輩からの信任を得ることは部活において重要なポイントのひとつでもあります』
・『幹部会で今回初めて信任・不信任を問う投票が実施されました』
「信認」の例文
・『通貨の信認維持が危ぶまれている中でも強いものは金貨です』
・『日本経済の悪化を取り戻すためには、日本円の信認を取り戻す必要がある』
・『すれ違いによって発生した信認関係の悪化を回復させたい』
・『あの頃にように市場の信認を回復するにはどうすれば良いのだろうかと悩んでいます』
まとめ
同じ読み方でも微妙に意味が異なる「信任」と「信認」。
信じて任せるのであれば「信任」。
信じて認めるのであれば「信認」。
この2点に注意することで適切に2つの言葉を使い分けることが可能です。