「稼ぐ」と「働く」は「仕事をしてお金を得ること」を指しますが、言葉のイメージが異なります。
二者にはどのような違いがあるのでしょう。
この記事では、「稼ぐ」と「働く」の違いを分かりやすく説明していきます。
「稼ぐ」とは?
「稼ぐ」【かせぐ】とは、仕事をして収入を得ることです。
そのほかの意味には「努力して結果を得ること」「得点を積み重ねること」があります。
漢字の「稼」は穀物の穂先を意味する部首の「のぎへん」と「家」から成り立っています。
これは家の中に収穫した穀物がある様子を表しており、「稼」は穀物を栽培し収穫することに関する漢字となっています。
これが転じて「仕事に精を出し、その対価を得ること」を指すようにもなりました。
「稼ぐ」という行為は「仕事に精を出すこと」でもあり「仕事をした対価としてお金を得る」という結果を表す言葉にもなっているのです。
本来は「一生懸命に仕事をすること」を指す言葉ですが「お金をもうけるために仕事をする」というニュアンスで使われることも多くなっています。
「稼ぐ」の使い方
一例として「稼ぐ」は以下のような使い方をします。
・『自分で稼いだお金は自分の好きなように使っても良い』
・『学費を稼ぐため毎日バイトにいそしむ』
・『上司の機嫌を取って点数稼ぎをする』
「働く」とは?
「働く」【はたらく】とは、生活の基盤を支えるための仕事や活動をすることです。
そのほかの意味には「ものが機能すること」「考えたり気付いたりすること」があります。
「はたらく」の語源は、旗などが風に吹かれて動き出す意味の「はためく」にあり、そもそも「はたらく」は「ものが動いて作用を起こすこと」を表します。
「はたらく」という言葉が生まれてから、生活のために体を動かすことを指すようになり、部首の「にんべん」と「動」を組み合わせた漢字の「働」があてられるようになりました。
「働く」は、幅広い意味を持つ言葉ですが、主に「生活の役に立つ作業すること」「収入を得るための仕事をすること」を指すときに用いられます。
「働く」の使い方
一例として「働く」は以下のような使い方をします。
・『4月から新入社員として働いている』
・『一生懸命働いた後の食事は美味しく感じられる』
・『彼女はよく勘が働く』
・『生薬の成分が痛みに働きかける』
「稼ぐ」と「働く」の違い
「稼ぐ」と「働く」の違いを、分かりやすく解説します。
どちらも仕事をして収入を得ることに関連しており、ほぼ同じ意味を持つように見えますが、本来の意味は異なります。
「働く」は生活の基盤を支えるために仕事をすること、一方「稼ぐ」は「働く」ことによって収入を得ることを指しています。
そもそも「働く」は生活に役立つ作業をすることであり、広義には報酬が発生しない作業(雑用や手伝い)も含まれます。
「稼ぐ」も本来は「仕事に精を出す」という意味が強かったのですが「働いた対価として収入を得る」という結果を指す言葉として使われることが多くなりました。
「働く」が生活するための手段ならば「稼ぐ」は「働く」に「お金を得る」という結果が伴った手段ということができます。
まとめ
「稼ぐ」と「働く」は同じようなニュアンスで使われることも多いのですが、言葉が持つ意味自体は異なります。
ちなみに「稼ぐ」という表現は「社会に貢献するためではなく、お金目当てで仕事をする」といったネガティブな意味合いにとられ、好まれない場合もあります。
場面にあわせ「稼ぐ」「働く」を適切に使い分けるとよいでしょう。