「逮捕」と「書類送検」の違いとは?分かりやすく解釈

「逮捕」と「書類送検」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「逮捕」「書類送検」の違いを分かりやすく説明していきます。

「逮捕」とは?

「逮捕」とは、刑事訴訟法に定められている身体を拘束する行為を指します。

なんらかの罪の被疑者として疑われて身柄を拘束されているという状態であり、「逮捕」された人は必ずしも事件の犯人だと断定されている訳ではありません。

警察の捜査によって、犯人であると疑わしい事実や証拠が判明した場合、対象の人物の身柄を拘束するために「逮捕」が行われます。

誤解されやすいのですが、「逮捕」された状態はその事件の犯人と疑わしいという状態であるため、「逮捕」された瞬間に事件の犯人であると断定される訳ではないですし、有罪が確定する訳でもありませんし、前科もつきません。

「逮捕」には「勾留」「勾引」「鑑定留置」なども含まれており、すべて被疑者の身柄を拘束する行為です。


「書類送検」とは?

「書類送検」とは、上述した身柄拘束を伴う「逮捕」をせず取り調べや捜査をし、その証拠や書類などを検察庁へ送致する事を指します。

事件の被疑者となっている人物が逃亡や証拠隠滅の恐れがない場合に、この「書類送検」という処分となる場合が多くなっています。

犯罪の種類や被害者の有無や程度などによって、「逮捕」するか「書類送検」するかが決定されます。

当然、「書類送検」が行われた後に、捜査上「逮捕」が必要であると判断されれば、「逮捕」される場合もあります。

また「逮捕」同様、「書類送検」された時点では犯人と断定されたわけではなく即座に有罪となったり、前科がつくわけではありません。


「逮捕」と「書類送検」の違い

「逮捕」「書類送検」の大きな違いは、「身柄拘束の有無」です。

「逮捕」は短期間の身柄拘束を伴う措置で勾留される期間は決められていますが、警察によって身柄を拘束されて取り調べや捜査を受ける事になります。

一方「書類送検」は、身柄の拘束はされず、捜査や取り調べが行われていきます。

そのため、期間が限られている「逮捕」より、長期的な捜査や取り調べが行われる場合があります。

一般的な認識として「書類送検」「逮捕」に比べて軽い処分だと感じるかもしれませんが決してそうではなく、「書類送検」されただけだといって刑の重さが決まるわけではありません。

まとめ

「逮捕」「書類送検」は、何かの罪によって疑われている人が「身柄を拘束されるかどうか」という違いがあります。

「書類送検」されただけだからと言って、その犯罪行為の刑罰が軽くなったりする事はありませんし、刑事裁判によって重罰が下る場合も当然あるということになります。

どちらにせよ、「逮捕」された人も「書類送検」された人も、なにかの罪を問われているという状態では同じですので、検察に送致され、起訴されるか不起訴となるかは「逮捕」されたか「書類送検」されたかでは左右されないという点を覚えておくとよいでしょう。