この記事では、「過不足算」と「差集め算」の違いを分かりやすく説明していきます。
「過不足算」とは?
「かふそくざん」と読み、算数の文章題のひとつになります。
ある個数のものを別な方法で配ったとき、余ったり足りなかったりするものの数を求める問題です。
例えば、「苺を何人かの子供に分けます。
4粒ずつ分けると14粒余り、6粒ずつ分けると46粒不足します。
苺の数と子供の人数はいくらでしょう」というような問題です。
この場合には、4粒と6粒の差は2粒です。
そして、余った分(14)と足りない分(46)の計は60です。
よって、60÷2=30が子供の人数になります。
子供の人数が分かると、苺の数も134粒だと分かります。
歴史は古く、江戸時代に書かれた「塵劫記」(じんこうき)には、盗人残(ぬすびとざん)として登場しています。
「過不足算」の使い方
名詞として、算数の文章題について話す時などに使います。
「過不足算」は、中学入試の算数で出題されることが多くなります。
「差集め算」とは?
「さあつめざん」と読み、算数の文章題のひとつです。
単位量あたりの差から、全体の量を求める問題になります。
例えば、「苺を袋に3粒ずつ入れると、5粒ずつ入れたときに比べ2袋多くなります。
二通りとも、過不足なく袋に入れられた場合、苺は全部で何粒ですか」というような問題です。
解き方は、3粒と5粒の差は2です。
そして、3粒の場合は2袋多くなるので、3×2=6の差があることになります。
6÷2(3粒と5粒の差)=3袋ということになります。
5粒だと3袋、3粒だと5袋です。
よって、苺の数は、3袋×5粒=15粒になります。
また、速さと距離に対する差集め算もよく出題されます。
「差集め算」の使い方
名詞として、「差集め算は難しい」などと、使用します。
「過不足算」と「差集め算」の違い
「過不足算」は、物の過不足に注目して解く問題で、「差集め算」は、差に注目して解く問題になります。
あまり難しくない問題の場合には、典型的な過不足算や、差集め算の形式になります。
しかし、難解になるにつれ、典型的ではなくなり、いろいろなパターンから、全体の差を出して、それを一つあたりの差で割って、数を出すことになります。
「過不足算」も「差集め算」も、やっていることは同じだといえます。
問題文の中に、過不足が出てきたら、「過不足算」といい、差が出てきたら「差集め算」と呼んでいるともいえます。
「過不足算」の例文
・『過不足算の問題を、面積を使って計算しなければならないと言われましたが、全然分かりません』
・『過不足算が分かりにくかったので、消しゴムをちぎって並べて計算しました』
「差集め算」の例文
・『この問題の解き方が分からなかったので、差集め算の式を使って解いてみました』
・『差集め算を解くときには、線分図を書く事を勧めます』
まとめ
「過不足算」は、過不足に注目して全体の数などを計算する方法で、「差集め算」は、差に注目して計算する方法でした。
余りや差から全体の数を求めるという意味で、両者を「過不足算・差集め算」のように、まとめていうこともあります。