物事に備えて行われる説明の話を指す言葉として「レクチャー」と「ブリーフィング」がありますがどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「レクチャー」と「ブリーフィング」の違いについて解説します。
「ブリーフィング」とは?
「レクチャー」とは、「知識や技術など専門性の高い内容を教えるために行われる講義」を意味する言葉です。
「レクチャー」の使い方
「レクチャー」が意味するのは「知識や技術の伝授」です。
知識や技術に優れる人が未熟な人に対して講義を通じて自らが有する知識や技術を教え伝える行為を「レクチャー」といいます。
「レクチャー」における関係性は師匠と弟子、先生と生徒など「教えるものと教わるもの」という上下関係が結ばれます。
一種の教育に当たる「レクチャー」ですが学校教育よりも専門的で個別具体的な内容を教える際に用いられます。
必要に迫られている人に対して必要な知識や技術を集中的に教える行為が「レクチャー」であり、一般教養のような特に目的がなく漠然とした成長や趣味のために行われる解説行為は「レクチャー」には該当しません。
一人前になるように具体的に詳しく説明する解説行為が「レクチャー」です。
「ブリーフィング」とは?
「ブリーフィング」とは、「必要なことを伝えるために行われる報告会」を意味する言葉です。
「ブリーフィング」の使い方
業務連絡や事前の打ち合わせなど「必要なことを簡潔に伝えるために開かれる集まり」を「ブリーフィング」といいます。
「ブリーフィング」は報告や連絡、通達など事前にわかっている内容を相手に伝えることを目的にしています。
基本的に話し合いや意見交換などは行われず一方通行で情報が伝えられるのみですが必要最低限の質問は含まれます。
軍隊では作戦決行前に兵士に作戦内容を説明するための集まりのことを「ブリーフィング」と呼んでいます。
既に決定していて内容に変更がない作戦内容を司令部から兵士に伝達するのが「ブリーフィング」であり詳細の確認はあるものの情報の流れは一方通行で伝えられるのみです。
「レクチャー」と「ブリーフィング」の違い
「レクチャー」と「ブリーフィング」の違いは「目的」です。
どちらも人に対して教えたり説明したりすることをあらわす言葉ですが「レクチャー」が教育や説明を通じて知識や技術の習得など成長を目的とするのに対し「ブリーフィング」は既に決定していて変更がない内容を知らせることを目的にしています。
人を成長させる育成活動が「レクチャー」、内容を知らせる伝達活動が「ブリーフィング」という違いで区別されます。
「レクチャー」の例文
・『飛行機に乗り込む前に救命胴衣の使い方についてレクチャーを受ける』
・『中東問題の専門家が大統領に最新の中東情勢をレクチャーした』
「ブリーフィング」の例文
・『明日の11時に作戦を決行するとブリーフィングで伝えられた』
・『上司とのブリーフィングに備えて報告書をまとめておく』
まとめ
どちらも説明の意味で使われる「レクチャー」と「ブリーフィング」ですが、同じ説明や解説でも目的がまったく異なる別の言葉です。
ビジネスでも使われる機会が多い言葉なのでそれぞれの正しい意味を知っておきましょう。