「ナンセンス」は認知度の高い言葉ですが、似た言葉に「ノンセンス」というものがあります。
この2つの言葉に共通項はあるのでしょうか。
この記事では、「ナンセンス」と「ノンセンス」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ナンセンス」とは?
日本語としてよく使われるのは馬鹿げている、常識外れと言う意味合いでの「ナンセンス」がポピュラーだと言っていいでしょう。
いわゆる形容詞としての使われ方です。
文学的な表現方法としては感動詞として相手の意見を頭から全否定する時に使われます。
「ノンセンス」とは?
「ノンセンス」は「ナンセンス」の同義語だと言っていいでしょう。
形容動詞として馬鹿げているやありえない事象を指すものです。
英語表記の“nonsense”をローマ字読みで翻訳した事から広まりました。
フランス語の“non”と関係があると思われがちですが関係はありません。
「ナンセンス」と「ノンセンス」の違い
基本的にはこの2つの言葉はナンセンスという単語が日本に入ってきた時期に間違って音読みしたものが広まっただけであり同義語です。
しかしニュアンスには多少の違いがありました。
馬鹿げた事象を一刀両断した場合、その事象は「ナンセンス」になります。
一方で事象に意図・作為的なものがあった場合には「ノンセンス」と差別化します。
これは同一の事象に対する態度の差に関係する事になるのでした。
「ナンセンス」の例文
・『「ナンセンス」、その考え方は今の時代に則していない』
・『「ナンセンス」な発言するからこそ、このお笑い芸人は面白い』
前者は感動詞として「ナンセンス」を用いたものです。
文頭に使う事で相手に呼び掛けるとともに考え方を全否定する形となりました。
「ナンセンス」は形容詞としても否定的に使われますが、言葉の多様性が高まった現代では後者の様に敢えて肯定的に使われるケースも見受けられます。
「ノンセンス」の例文
・『「ノンセンス」、その歴史書はあからさまに片方に偏った見解がされている』
・『チャールズ・チャップリンのトーキーは極めて「ノンセンス」である』
前者は「ナンセンス」の感動詞としての使われ方と同一の意味合いを持てど、対象が意図を持ち仕掛けがされたものである事から「ノンセンス」として言葉が成り立ちます。
後者は形容詞としての使われ方となります。
前者同様に「ナンセンス」な事象であるトーキーにしかけがされている事を表現。
このため「ナンセンス」ではなく「ノンセンス」が使われる例文となります。
まとめ
基本的には「ナンセンス」と「ノンセンス」は同義語と言っていいでしょう。
日本語として厳格な差はありません。
馬鹿げている、荒唐無稽など否定的な形容動詞として使われます。
ニュアンスを違って捉える場合は「ナンセンス」な事象に対しての受け取り側の違いによって「ノンセンス」と表現されます。