「パッキン」と「ガスケット」という言葉は、ものをつくる現場などでよく使われている言葉です。
どちらも密閉したいときなどに使うものですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「パッキン」と「ガスケット」の違い
この二つの言葉は、どちらもシール材の一種になります。
シール材とは、物を貼り合わせるときや、補修するときに使われる材料のことです。
内部に異物が入らないようにするときや、外に液体がもれないようにする為に使うシール材には、「パッキン」と呼ばれるものと、「ガスケット」と呼ばれるものがあります。
「パッキン」と呼ばれるものは、動くところの気密性を保つ為に使用する素材で、運動用のシール材といわれています。
運動用のシール材とは、回転するところや往復運動する場所の気密性を保つ素材のことです。
動くところに使用するものが、「パッキン」だといえます。
それに対し、「ガスケット」は、固定用の、気密性を保つ為に使われるシール材のことです。
固定用とは、配管など、いつも静止している部分に使われるシール材だということです。
「パッキン」と「ガスケット」の使い方の違い
シールしたい箇所が、動かすところなら、「パッキン」を使用します。
それに対し、動かないところをシールしたい場合には、「ガスケット」を用います。
使用される場所によって言い方が変わります。
どちらもシール材であり、材質などで言い方を変えているわけではないので、メーカーによっては、動くところに使っている場合でも、「ガスケット」といっている場合もあります。
「パッキン」と「ガスケット」の英語表記の違い
「パッキン」は、英語ではpackingです。
それに対し、「ガスケット」は、gasketになります。
日本語では、「パッキン」といわれているものでも、英語では、gasketになることがあります。
英語でpackingというと、梱包のことを指すことが多くなります。
「パッキン」の意味
「パッキン」は、回転するところや、往復運動するところの気密性をもたせる為の部品のことを指します。
素材は、ゴムやプラスチックなどの非金属のものや、金属と金属ではない素材を合わせたセミメタリックパッキンのものもあります。
また、金属で出来たパッキンもあります。
油圧機器や、圧縮機、ポンプなどの、気体や液体の漏れを防ぐ用途で使用されます。
また、荷造りしたときに箱の内容物が壊れないため、荷物の周りに入れる詰め物のことも「パッキン」といいます。
「パッキン」は、動くところに使用されているため、頻繁に交換が必要になることがあります。
「パッキン」の使い方
気密性をもたせるための「パッキン」と、荷造りしたときに入れる詰め物の「パッキン」があります。
密閉するためのパッキンは、ゴムパッキン、気密パッキン、シリコンパッキンなどと、名詞として使います。
「パッキン」を使った例文
・『このパッキンは、もう古くなっているから、中身が漏れてくる』
・『点検するついでに、パッキンを交換しておいてください』
・『皿が割れないように、パッキンを多めに詰めておきます』
・『ゴムパッキンの製造方法を教えてください』
・『帰宅してみて驚いた。防水パッキンが劣化していたせいで、あたり一面水浸しだ』
「パッキン」の類語
「密封装置」「詰め物」などが類語にあたります。
「ガスケット」の意味
「ガスケット」は、気密性、液密性を持たせるために使用するシール材のことをいいます。
「パッキン」は動かすところに使用するものを指すのに対し、「ガスケット」は普段動かないところに使用するものを指します。
具体的には、配管の継ぎ手などの隙間を防ぐためなどに使用されています。
ゴムなどで出来ている軟質ガスケット、金属と金属ではない素材を合わせたセミメタルガスケットがあります。
そして、金属で出来ているメタルガスケットなどがあります。
いろいろな材料があるので、「ガスケット」が使われるところの気温などの条件や、触れる液体や、気体などを考慮し、材料を選択することが重要になっています。
よくあるガスケットは、ゴムガスケットや液体ガスケット、シールテープなどがあります。
「ガスケット」の使い方
普段、動かさないところに使用するシール材に対して使います。
ガスケット材や、目地ガスケット、液状ガスケットなどと、名詞として使います。
「ガスケット」を使った例文
・『バイクのガスケット抜けを放置していたら、車検で指摘されてしまった』
・『このガスケット素材は、柔軟性に富んでいます』
・『ガスケットは、パッキンに比べ、交換が少なくて済みます』
・『用途別にいろいろと発売されているシートガスケット』
・『マフラーを交換するときに必要な、マフラーガスケットを購入する』
「ガスケット」の類語
「詰め物」や、「パッキン」などが類語にあたります。
まとめ
両者は、どちらもシール材のことですが、使用されるところが違います。
「パッキン」は、動くところに使うシール材で、動かないところに使うシール材に対しては、「ガスケット」を使用します。
言葉の違いを知って、役立ててください。