「議論」と「応酬」。
この言葉の違いは何なのか。
この記事では、「議論」と「応酬」の違いを分かりやすく説明していきます。
「議論」とは?
「議論」には、「論じる」という漢字が用いられています。
「論じる」とは、何かを主張する際、決められたテーマに沿って道筋を立て説明し解決することを意味します。
そんな、「論じる」を用いた「議論」には、互いに意見を述べ合い論じること。
といった意味があります。
お互いの考えについて話し合う行為や意見交換する行為などが「議論」です。
言い換えれば、「ディスカッション」や「相談」、「話し合い」、「意見交換」、「会談」などと同じです。
「議論」の使い方
「議論」は、「議論する」や「議論を行う」だけでなく、「議論を戦わす」や「議論を尽くす」、「議論が行き詰まる」などといった形で用いられます。
「応酬」とは?
「応酬」は、基本的に互いに何かをやり取りすることを指します。
贈られてきた書状や詩歌などに返事をすることといった場合も「応酬」となります。
しかし、この「応酬」の場合、このように決して良いことだけではなく、やり返すといった意味もあります。
そして、そのやり返す行為は、言葉だけではなく、時には暴力でやり返すことも「応酬」と言います。
言い換えれば、「言い返す」や「反論」、「応答」、「リスポン」などと同じです。
「応酬」の使い方
「応酬」は、「応酬する」だけではなく、「応酬が続く」や「応酬を交わす」などといった形で用います。
また、「パンチの応酬」や「非難の応酬」などといった言葉もあります。
「議論」と「応酬」の違い
「議論」も「応酬」も、両者でのやり取りを意味する言葉ですが、その内容は異なります。
「議論」は、あくまでも、お互いに意見を出し合い論じあうことを意味します。
それに対し「応酬」は、互いに刈り取りするだけではなく、やり返すといった意味があり、単に論じ合うだけではありません。
その点に大きな違いがあります。
また、時に、「応酬」の場合、暴力を伴うこともあるといった大きな違いもあります。
「議論」の例文
・『クラスメイトと議論した結果、文化祭について良い方法が見つかりました』
・『議論が煮詰まってきたので、少し休憩を入れることにしました』
・『今回の会議では、熱のこもった議論が続きました』
・『同期の仲間との飲み会では、いつも議論に発展してしまいます』
「応酬」の例文
・『一言、私が発した言葉に対し、非難の応酬を浴びることになりました』
・『メールの応酬が続き、止め時がわかりません』
・『値段交渉で、応酬が交わされています』
・『昨日から、進学先のことで両親と応酬が続いています』
まとめ
以上が、「議論」と「応酬」の違いです。
同じような意味を持つ言葉でも、実際の内容には大きな違いがあるため、使い分けには注意が必要です。
特に「応酬」には、やり返すといった意味があることを忘れず用いる必要があります。