この記事では、「厳しい」と「理不尽」の違いを分かりやすく説明していきます。
「厳しい」とは?
「厳しい」の主な意味は4つあります。
1つめは、規律にうるさく、不正や怠慢を認めず、少しのゆるみも許さないさまです。
野球の練習で説明をします。
この野球チームは規律にうるさく、集合時間に1分でも遅れることを許しません。
毎日100本以上のノックを打ち、毎日グラウンドを何週も走らされます。
少しも練習を怠けることを許さないのです。
このようなさまは「厳しい練習」といいます。
2つめは、いい加減に始末をつけることを許さないさま、状況が困難で大変なさまです。
多くの人の役に立つ橋を作ろうと考えたとします。
しかし、この橋を作るためには、資金を集める、周辺住民の理解を得るなど、やらなければならないことがたくさんあります。
これらを行うには困難が伴うことが予想されます。
この状況は「前途が厳しい」といえます。
3つめは自然現象や状況などの程度がはなはだしいさまです。
岩がごつごつとしており、斜面が急な山道を登るのは簡単ではありません。
じりじりつ焼けつくような太陽の日差しはつらいです。
こういった自然の程度を意味しています。
4つめは、物事の状態が非常に差し迫っている、少しも緩みがないさまです。
どちらの国が先に武力攻撃をするのかといった緊張した状態がこれにあたります。
「厳しい」の使い方
少しもゆるみがない、自然現象などの程度がはなはだしいといった意味で使用をします。
「理不尽」とは?
人として正しい道筋や物事の正しいすじを尽くさない、そういったものにあわないという意味です。
姉妹のことで説明をします。
お姉ちゃんは、いつも我慢させられています。
妹がもっとお菓子を食べたいといえば「お姉ちゃんの分をわけてあげなさい」といわれ、妹が「おもちゃで遊びたい」といえば「お姉ちゃんなんだから妹に貸したげなさい」といわれます。
お姉ちゃんだからという理由で、いつも我慢させられるのです。
そして、妹は甘やかされています。
こういったあるべきではない行動を意味しています。
「理不尽」の使い方
正しいすじにあっていない、あるべきではない行動といった意味で使用をします。
「厳しい」と「理不尽」の違い
前者の意味は、少しもゆるみがないさま、自然現象などの程度がはなはだしいさま、緊迫しているさまです。
後者はゆるみとは関係なく、道理にあわないといったことを指しています。
「厳しい」の例文
・『厳しい姿勢を貫く』
・『厳しい態度をとる』
・『寒さが厳しい』
・『しつけが厳しい』
「理不尽」の例文
・『理不尽な対応』
・『理不尽だと非難される』
・『理不尽な扱いを受ける』
・『理不尽な言動だと感じる』
まとめ
一方はゆるみがない、自然などの程度がはなはだしいといった意味で、もう一方は道理に合わないという意味で、それぞれの言葉が指しているものは異なります。