この記事では、「使命感」と「責任感」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「使命感」と「責任感」の違い
「使命感」とは、自分に与えられた重大な役割を果たそうとする意志のことです。
「責任感」とは、自分の行為や仕事などに対して責任を果たそうとする気持ちのことです。
どちらの言葉も気持ちのことを意味していますが、どのような気持ちなのか意味が異なります。
「使命感」の場合は、使命を果たそうとする気持ちのことです。
「使命」には、軽々しく扱えない大切な役割、使者として受けた命令という意味があります。
「責任感」の場合は、責任を果たそうとする気持ちのことです。
「責任」には、当然果たさなければならない任務・義務という意味があります。
「使命感」と「責任感」の使い方の違い
与えられた務めを果たそうとする意志について「使命感」を使用します。
責任を負うべきことを果たそうとする気持ちについて「責任感」を使用します。
「使命感」と「責任感」の英語表記の違い
「使命感」は英語で“awareness of one’s calling”や“sense of mission”と表現をします。
「責任感」は英語で“sense of responsibility”と表現をします。
「使命感」の意味
「使命感」には、自分が負っている務めを果たそうとする強い意志という意味があります。
「使命」とは、与えられた重大な役割、使者として受けた命令のことです。
「感」には、心の動き、物事の様子という意味があります。
海が大好きな人がいたとします。
ここでは、Aさんとしておきます。
ある海にAさんが出かけたところ、海岸にはたくさんのゴミが打ち捨てられていました。
それを見たAさんは、自分が海をきれいにしなければと強く思いいました。
海をきれいにすることは、自分に与えられた役割だと感じたのです。
そして、その役割を果たそうという強い気持ちを持ちました。
困難にあってもくじけないぞという強い気持ちです。
このような、自分に与えられた役割を果たそうとする強い意志のことを「使命感」といいます。
意志は自分のうちから湧き上がってくるもので、誰かから与えられるものではありません。
そのため、「使命感」は誰かから与えられるものではないです。
「使命感」の使い方
自分に与えられた任務を果たそうとする強い意志のことを指して使用します。
与えられた任務といっても、誰かからやりなさいといわれたことだけでなく、自分でやらなければと感じるもののことについてもいいます。
たとえば、桜並木の桜の木がすべて伐採されてしまうことになり、この風景を写真で残そうと考えたとします。
これが自分の役割だと強く感じており、このことは「使命感」を持ったといえます。
写真に残すことが自分に与えられた役割だというのは、その人自身が感じたことであり、写真に残しなさいと誰かから命令されたわけではありません。
命令をされなくても、「使命感」を持つことができます。
「使命感」を使った例文
・『野生動物を守らなければという強い使命感がある』
・『地球の平和を守るという使命感がある』
・『使命感を持って、やり通すことができた』
・『使命感を持って介護をしていた』
「使命感」の類語
ぴったりな類語はありませんが、強いて言えば「意気」です。
物事をやり通そうとする強い気持ちという意味があります。
「使命感」の対義語
対義語はありません。
「責任感」の意味
「責任感」には、自分の行うことに対して、当然追わなければならないことを果たそうとする気持ちという意味があります。
「責任」とは、負わなければならない任務や義務のことです。
捨てられていた子猫を拾ってきました。
世話をしないと生きていくことができそうもないほど、小さな子猫です。
拾ってきた猫を元の場所に戻す行為は、捨てたとみなされてしまい、動物愛護管理法に違反する可能性があります。
一度拾った猫を育てることは、負うべき任務・義務といえるでしょう。
子猫を育てなければといった気持ちを「責任感」といいます。
「責任感」の使い方
自分が負うべき任務や義務を果たそうという気持ちのことを指して使用します。
「責任」は誰かから与えられることがありますが、「責任感」は気持ちのことなので、誰かから与えられるものではありません。
「責任感」を使った例文
・『責任感を持って仕事をしてください』
・『いつも責任感を持っています』
・『強い責任感がある』
・『責任感に押しつぶされそうだ』
「責任感」の類語
「義務感」が類語です。
自分が当然やらなければならないという気持ちの意味があります。
「責任感」の対義語
「責任」の対義語は「無責任」ですが、「無責任感」とはいわないので、対義語はありません。
まとめ
どちらの言葉も気持ちを表していますが、使命に関することなのか、責任に関することなのかという点で意味が違います。