「湯通し」と「油通し」の違いとは?分かりやすく解釈

「湯通し」と「油通し」の違い生活・教育

「湯通し」「油通し」はどちらも料理に関係する言葉ですが、意味が異なるため区別して覚えておく必要があります。

この記事では、「湯通し」「油通し」の違いを分かりやすく説明していきます。

「湯通し」とは?

「湯通し」「ゆどおし」と読む言葉で、「野菜や肉、魚といった食材を素早く熱湯にくぐらせたり、さっと熱湯をかけたりすること」を意味し、調理前に食材の臭みや油気、灰汁などを除去したり、殺菌したりするためにおこないます。

そのほか、「麺類などをザルに移して温めること」という意味で用いられることもあります。


「油通し」とは?

「油通し」「あぶらどおし」と読む言葉で、「野菜や肉、魚などの食材を熱した油に素早くくぐらせること」を意味し、主に中華料理を作る過程でおこなわれています。

「油の中に入れて調理する」という意味では「揚げる」という調理方法もありますが、「揚げる」「調理の仕上げの過程でおこなう」のに対し、「油通し」「下ごしらえのひとつ」としておこなうのが特徴です。


「湯通し」と「油通し」の違い

「湯通し」「油通し」は双方とも料理を美味しく作る「下ごしらえ」の一種に含まれますが、それぞれの意味合いややり方、目的に違いがあります。

「湯通し」「食材に素早く熱湯をかけたり、熱湯にくぐらせたりすること」を意味する料理用語で、基本的には「特定の食材に沸騰したお湯をかけるかくぐらせ、ザルにあげて水気を除去する」という手順でおこなわれます。

「湯通し」の主な目的は「食材の臭みや灰汁を取ったり、色を鮮やかにしたりする」ことにあり、具体的には「肉類の余分な脂肪分や臭みを取る」「魚類のヌメリや臭みを除去する」「こんにゃくなどの灰汁や臭みを取る」「油揚げの余分な油分を除去して味を染み込みやすくする」「ワカメなどの色合いを鮮やかにする」といった作用が期待できます。

一方、「油通し」「食材を熱した油に素早くくぐらせること」を意味し、「油を120℃~180℃程度に熱し、食材を数十秒~3分程度の間にくぐらせ、ザルなどにあげて油分を切る」という手順でおこなわれており、食材の種類や固さ、カット方法などによって油の温度や油にくぐらせる時間を変化させることが重要とされています。

「油通し」の主な目的は「食材の見た目や食感、味わいをより良くすること」にあり、具体例としては「肉類や魚類の表面を固めることで旨みを閉じ込める」「野菜の食感をさらに良くしたり色彩を鮮やかにしたりする」「煮崩れを防ぐ」「コクを引き出す」などの作用が期待できます。

お湯をかけるだけの「湯通し」に比べると手間がかかるイメージがありますが、最近では電子レンジを用いて手軽に「油通し」する方法も普及し始めているようです。

まとめ

「湯通し」「油通し」はそれぞれの文字が表す通り、「湯通し」「お湯にくぐらせること」を、「油通し」「油にくぐらせること」を意味します。

両者の意味や手順、目的などを理解して、状況に応じて使い分けてください。