この記事では、「炭酸カルシウム」と「炭酸バリウム」の違いを分かりやすく説明していきます。
「炭酸カルシウム」とは?
炭酸のカルシウム塩です。
炭酸は二酸化炭素が水に溶けると弱い酸性を示すもののこと、カルシウムはアルカリ土類金属元素の一つです。
これは石灰石を原料にして得ることができます。
石灰石は炭酸カルシウムを主成分にする固まりのことです。
自然界では、貝殻・サンゴ・有孔虫などの死骸が堆積して固まってできます。
「炭酸カルシウム」を得るためには、まず原料を採掘します。
日本にはこの原料があります。
採掘したものは、使いやすいように粉砕をします。
そして、工場まで運んで焼成をします。
石灰石を焼成すると、脱炭酸により生石灰を得られます。
これを十分な水と反応させると石灰乳を得られます。
焼成の際には二酸化炭素のガスが発生をします。
二酸化炭素のガスを石灰乳に吹き込むと炭酸カルシウムの微粒子ができます。
そして、結晶を安定化させます。
その後、脱水や乾燥などの工程を行います。
製品として出荷するものは袋詰めされます。
こうして得られた「炭酸カルシウム」は、チョーク、飼料、肥料、塗料、インキなど、さまざまなものに利用されています。
また、食品添加物として認められており、食用にもされています。
栄養の強化を目的としてや、食感の向上を目的として利用しています。
「炭酸カルシウム」の言葉の使い方
炭酸のカルシウム塩を指して使用する言葉です。
さまざまな製品に使用されていますが、塗料など製品として完成したものはこの名で呼びません。
「炭酸バリウム」とは?
バリウムの炭酸塩のことです。
水に溶けにくい性質を持っています。
重晶石から硫化バリウムを得て、炭酸ナトリウムを反応させて得ることができます。
これは、釉薬、顔料、染料などに利用されています。
また有害なので殺鼠剤としても利用をしています。
万が一、皮膚に付着した場合は直ちに洗い流します。
目に入った場合は、すぐに洗い流します。
飲み込んでしまった場合には硫酸ソーダまたは硫酸マグネシウムを経口投与します。
これによって水に溶けない硫酸バリウムになります。
その後、洗浄をします。
病院を受診することが望ましいです。
日本では劇物に指定されている物質です。
また、消防法、労働安全衛生法などいくつかの法で規定がされています。
「炭酸バリウム」の言葉の使い方
バリウムの炭酸塩のことを指して使用をします。
乳白色をしているのですが、見た目が似ていてもバリウムの炭酸塩でない場合はこの名で呼びません。
「炭酸カルシウム」と「炭酸バリウム」の違い
「炭酸」と名につくところが似ていますが別のものです。
前者は炭酸のカルシウム塩です。
石灰石から得ています。
後者はバリウムの炭酸塩です。
重晶石を原料にしています。
まとめ
炭酸と名につくところが似ていますが、それぞれ別のものです。
原料とするものや性質が異なります。