この記事では、「野良猫」【のらねこ】と「どら猫」【どらねこ】の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「野良猫」とは?
人間が住む場所にあえて住む「野良猫」【のらねこ】は、いい距離感を保ちつつ集合住宅や公園、空き家で生活しています。
日本ではねずみ駆除のために民家で飼われていましたが、1602年に発令された法令により、猫を紐で繋いで飼うことが禁止されて以降、いっきに「野良猫」が増えていきました。
屋外で生活している個体はそれぞれ自分が生活する場所を縄張りとしているため、他のものを寄せ付けないよう威嚇しつつ自由に出たり入ったりして移動しています。
そんな野良猫は人間に懐き、ご飯を貰う個体もいますが、虚勢しなければ1年の間に20頭にもなり、その繁殖力は高い傾向が見られます。
そのため糞尿や鳴き声に問題が出てしまうので、区が給餌している者に対して5万円以下を払わなければなりません。
このような問題を受けて、人間と「野良猫」がうまく共存できるような環境を整えてあげたり、小屋の設置、虚勢活動する地元ボランティアが現れて、募金を集め活動する団体まで増えています。
沖縄県八重山諸島にある竹富島では「野良猫」をさくら猫と呼び、食事を与えたり、雨風をしのぐ小屋の設置、避妊手術に力を入れたことで猫好きの観光地として注目を浴びるようになりました。
「どら猫」とは?
買い主がいても懐かず、勝手に外に出ては他の猫と喧嘩ばかりしている、店で売っている魚を盗み食いするなど悪さばかりする固体を「どら猫」【どらねこ】と呼びます。
飼い主はとくに決まっていないため特定の家に帰ることはなく、その日暮らしで気が向いた場所で寝て、食事して住みつきます。
「どら猫」は行儀が悪い猫という意味があり、大きな声を発して驚かせたり、勝手に人の家の敷地に入っては食べれそうなものを盗みます。
とくに、網戸もなく、ドアも開けっ放しであった戦後は家の中に入り込み、食べ物を泥棒のように盗むことから厄介な存在であり、性格が図太く見えるところが「このどら猫め」と追い払われていた存在でした。
しかしいくら怒られても反省せず、また同じ悪さを繰り返すところがまさにふてぶしさを感じさせる「どら猫」は、幾度と縄張り争いして、餌を奪い合って生き抜いてきたため肝が据わっています。
少しのことでも驚かず、顔つきも野性味溢れている見た目が特徴的な「野良猫」は、餌を与えてもまったく人に懐かず、近づくと威嚇して追い払う態度が可愛げないと「このどら猫」と嫌悪感を抱きます。
「野良猫」と「どら猫」の違い
「野良猫」と「どら猫」の違いを、分かりやすく解説します。
野外で生活する「野良猫」は、人が心を開いて距離を縮めれば懐き、癒しの対象になり、家の中へ勝手に入り込んで盗み食いすることはほとんどありません。
ふらふらと遊び歩く個体も少なく、人を故意に噛んだり、爪で傷つけるのは稀です。
どちらかといえば人間の愛情を求めている気持ちが強く見られます。
一方の「どら猫」は勝手に盗み食いしたり、近づけば噛んだり、引っ掻いて距離を近づけようとはしません。
「どら猫」と呼ばれるようになったのも、家のお金を黙って持って女性と豪遊したり、賭け事して遊ぶどら息子のように見えることからこのような呼び方されるようになりました。
お金が尽きるまでふらふらと飲み歩くどら息子は財産を使い果たして親を泣かせるため、人を傷つけて泣かせる猫に対して「どら猫」と呼ぶようになったのです。
他にも「銅鑼を打つ」【どらをうつ】ように遊びにうつつを抜かし、有り金をすべて使ってしまうところもこのように呼ぶようになった語源になります。
まとめ
どちらも特定の飼い主に飼われているわけではなく、野外で暮らす猫を指す言葉として使われています。
過酷な環境の中、生き抜くため頑張って生き抜いている個体ばかりであり、大変な思いをして生き抜いているため不用意に手を出して刺激しないようにして、静かに見守ってあげることが必要です。