この記事では、「埴輪」と「土偶」の違いを分かりやすく説明していきます。
似た雰囲気を持つ2つの言葉には、どのような意味と違いがあるでしょうか。
「埴輪」とは?
「埴輪」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「埴輪」は「はにわ」と読みます。
「埴輪」は、「古墳の墳丘上や、外堤に立て並べられた素焼きの土製品のこと」という意味があります。
「埴輪」は、3世紀から、6世紀後半にかけてお墓である、古墳の装飾品のように並べられた土製品で、家、人、動物の形をしたものなどがあります。
「埴輪」は紐状にした粘土を積み上げて形を作ったもので、中は空洞になっています。
「埴輪」がなぜ、作られて、古墳に飾られていたのかについては、諸説あります。
例えば、家の形や道具の形をしたものは、儀式の際に神様が折りてくる場所として用意したものという説があります。
また、かつては偉い人が亡くなった時、人を生き埋めにしてお供をさせるという風習がありましたが、その代わりとして、人の形をした「埴輪」が埋められたとされています。
「土偶」とは?
「土偶」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「土偶」は「どぐう」と読みます。
「土偶」は「縄文時代に作られていた、土人形のこと」という意味があります。
「土偶」は、すでに2万点以上出土しており、博物館などで本物と触れ合う機会が多くあります。
その中には、「仮面の女神」など、国宝に指定されているものもあるなど、芸術性が高いものも少なくありません。
「土偶」には、妊婦姿のものが多いため、命を生む女性から、再生の祈りの象徴として作られたという説があります。
また、人が亡くなった時に、魂を鎮めるために「土偶」を作り、壊した状態で埋めていたという説があります。
さらに、病気やケガを悪霊と考え、人の代わりに「土偶」に移して、快癒を願ったという説もあります。
このように、なぜ「土偶」が作られたのかについては、諸説ありますが、本当のところは分かっていないようです。
「埴輪」と「土偶」の違い
「埴輪」と「土偶」の違いを、分かりやすく解説します。
「埴輪」は、「古墳の墳丘上や、外堤に立て並べられた素焼きの土製品のこと」という意味があります。
一方で「土偶」は「縄文時代に作られていた、土人形のこと」という意味があります。
どちらも、古い時代に作られた土製品という共通点があります。
ただし、「埴輪」は、弥生時代以降に作られたものなのに対して、「土偶」は縄文時代に作られたという違いがあります。
また、「埴輪」は、人の形以外に、家や道具、馬などをかたどったものがありますが、「土偶」は、基本的に人の形のものを指す言葉という違いがあります。
まとめ
「埴輪」と「土偶」の違いについて見てきました。
2つの言葉には明確な意味の違いがありました。
2つの言葉の意味の違いを知ることで、混同せずに使い分けることができるようになりそうです。