この記事では、「リンゲルマン効果」と「傍観者効果」の違いを分かりやすく説明していきます。
組織をまとめる力を学びましょう。
「リンゲルマン効果」とは?
リンゲルマン効果とは、集団行動における「さぼり」の心理をあらわします。
たとえば大勢で仕事をしていると「1人くらい手抜きしてもいいのではないか」という不思議な安心感に包まれることがあります。
この気持ちが悪い方に引っ張られてしまい、無意識のうちに1人1人が怠けてしまうことを「リンゲルマン効果」と呼んでいます。
企業のリーダーとしては、会社がこのような状態になってしまっては困りものです。
そのためリンゲルマン効果の中身をよく知って、予防するための取り組みをとっておくことも大切です。
予防策としては社員を正しく評価すること、上司と部下のコミュニケーションを大切にすること、役割分担や責任を明確にすること等が挙げられます。
試行錯誤しながら、社員のモチベーションを高めていきましょう。
「傍観者効果」とは?
傍観者効果とは、本来は手を出すべきなのに「ただ見ていて何もしない側」に回ってしまうことです。
大きな行動を起こさず、静かな観客の1人になってしまうので傍観者効果と呼んでいます。
とくに傍観者効果が起きやすいのは、大勢の人がいる集団のシーンです。
たとえば都会の雑踏の中で、助けを求めている人がいたとします。
これが1対1であれば、自分しか救助者はいないので、否が応でも助けにでられます。
けれども周囲に多くの人がいる状態だと「自分でなくても良いのではないか」というあまい気持ちが働いて、率先して助けることができなくなります。
下手に手を出すと、自分にも火の粉が飛んでくるかもしれない。
こうした気持ちが働いて、手出しができなくなる状態を「傍観者効果」といいます。
「リンゲルマン効果」と「傍観者効果」の違い
どちらも似ている心理学の言葉です。
「リンゲルマン効果」と「傍観者効果」の違いを、分かりやすく解説します。
・ビジネスのリンゲルマン効果、学校の傍観者効果
「リンゲルマン効果」と「傍観者効果」は集団行動における、人間の弱い気持ちをついた言葉です。
似ていますが、使われるシーンが少しずつ異なっています。
「リンゲルマン効果」では、多くの人と一緒に仕事をしていると、つい自分に甘くなってしまう心理を例えたものです。
そして傍観者効果は、事件が起こっても周囲の人の目が気になってしまい救出できない心理を説いたものです。
「リンゲルマン効果」は、大企業が従業員を束ねるときに使います。
そして「傍観者効果」は教職員が生徒を指導するときに、心得ておくべき心理学です。
まとめ
「リンゲルマン効果」と「傍観者効果」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも企業や学校のリーダーが、目を通しておきたい心理学です。
リンゲルマン効果は集団作業における手抜きをいいます。
傍観者効果は多くの人がいると、率先して助けに出ない気持ちをあらわします。
仕事や教育の場に活かしてみてください。