「金融政策」と「財政政策」の違いとは?分かりやすく解釈

「金融政策」と「財政政策」の違い金融・経済

国が行うマクロ経済政策には「金融政策」「財政政策」があります。

このふたつの制作にはどのような違いがあるのでしょうか。

今回は、「金融政策」「財政政策」の違いについて解説します。

「金融政策」とは?

「金融政策」とは、「公定歩合を変動させることで経済の拡大や引き締めを行うマクロ経済政策」を意味する言葉です。

一国の経済を対象とする経済政策を「マクロ政策」といいます。

マクロ政策では国全体の経済を動かす事を目的とする政策により経済をコントロールすることを目指します。

マクロ経済政策はふたつの柱から成りますがそのひとつが「金融政策」です。

「金融政策」とは「中央銀行が市中銀行に貸し出すときの金利を変動させることで一国の経済市場を動かす政策」を意味します。

市中銀行に対する中央銀行の貸付金利のが「公定歩合」です。

公定歩合が下がると市中銀行はお金が借りやすくなるので貨幣流通量が増加し、公定歩合が上がると市中銀行はお金を借りなくなるので貨幣流通量が絞られます。

公定歩合は市中銀行による貸出金利や預金金利にも影響を与えます。

株式に投資したときの利回りが3%と仮定したとき、公定歩合が2%であれば市中銀行は中央銀行からお金を借りて株式に投資することで利回りと金利の差額1%の収益を得られるので積極的にお金を借ります。

公定歩合が4%であれば株式に投資しても1%の損失が発生するので市中銀行はお金を借りようとしません。

上記は非情に単純化したモデルですが「金融政策」の本質を端的に表しています。

公定歩合の変動が与える影響力を利用して株式や貨幣流通量をコントロールしようという政策が「金融政策」であり、一般的な国では政府ではなく中央銀行の判断と権限によって実行されます。


「財政政策」とは?

「財政政策」とは、「財政政策を通じて国の経済をコントロールするマクロ経済政策」を意味する言葉です。

「財政」とは国の経済行為を指す言葉です。

国は歳入と歳出という形で予算を管理しますがそのような予算のやりとりを「財政」といいます。

「財政政策」とは「財政を利用して行う経済政策」です。

国の経済を活性化させるには需要が必要です。

物が売れることで生産者はお金を獲得し、獲得したお金を使って生産者がものを買うことで別の人がお金を獲得します。

このように景気を良くするためには最初に財やサービスに対する需要が必要です。

「財政政策」「景気を刺激するために財政を用いて需要を生み出す政策」です。

国が物を買ったりサービスを利用したりすることで国民がお金を獲得し、お金を獲得した国民が消費することでさらに別の人がお金を獲得するという流れが生まれます。

「財政政策」には「赤字国債の発行による公共事業の実施」「減税による企業負担軽減」などがありますが、これらの制作はすべて財政を用いて消費を喚起する事を目的にしています。


「金融政策」と「財政政策」の違い

「金融政策」は金利操作による間接的な市場操作を目指す政策であるのに対し「財政政策」は財政を用いた有効需要の創出を目的としています。

どちらもマクロ経済政策の柱となりますが「金融政策」は中央銀行が行うのに対し「財政政策」は政府が実行するという違いがあります。

まとめ

「金融政策」「財政政策」はマクロ経済政策の二本柱です。

それぞれ市場に与える影響や経済刺激のメカニズムが異なります。

経済ニュースには必ず登場する基本的な用語なので正しい意味を覚えておきましょう。