この記事では、「矛盾」と「ジレンマ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「矛盾」とは?
2つの物事の間でうまく一致しないところがあり、つじつまが合わないことです。
中国の「韓非子」難一の故事が由来です。
誰かが花瓶を割ったことで説明をします。
家にはAさんとBさんの2人がいます。
この2人以外誰もいません。
この家にはCさんも住んでいます。
Cさんが外出先から帰ってみると、花瓶が床に落ちて割れていました。
自分が外出する前には割れていなかったので、外出中に割れたのだと思われます。
そのため、CさんはAさんまたはBさんが割ったのだろうと考えました。
2人に話しを聞いてみると、Aさんは「Bが割った」といい、Bさんは「Aが割った」といいます。
2人の話しは一致しておらず、花瓶が割れているという事実と一致しません。
他に誰かがやってきたのかと聞いたら、誰もやってきていないといいます。
猫など動物を飼育していないので、動物がやったわけでもないです。
AさんかBさんかどちらかしかいないのです。
この2人の話しは「矛盾」しているといえます。
「矛盾」の使い方
2つの物事の間でうまくあわず、つじつまが合わないことに使用をします。
あまりよい意味では使用されません。
「ジレンマ」とは?
互いに反対である2つの事柄に挟まれて、どっちにつくこともできず苦しいことという意味です。
2つの事柄は互いに反対である場合をいい、似たような事柄が2つ並んでいることではありません。
ダイエットをしている人のことで説明をします。
この人は食べるのが好きです。
食べてばかりで体重が気になってきたので、ダイエットをすることにしました。
やせるためには、これまでよりも食べる量を少なくする必要があります。
そこで、以前よりも食べる量を少なくしたのですが、食べることが好きなので食べたいという気持ちがでてきます。
コンビニに行ったときには、ついスイーツコーナーを見てしまい、あれが食べたい、これも食べたい、買ってしまおうかという気持ちがでてきます。
一方で、やせるためには食べてはいけないという気持ちもあります。
食べたい、でもやせたいという相反する物事に挟まれて苦しい状態です。
こういった苦しい状態を意味する言葉です。
「ジレンマ」の使い方
2つの物事があり、それが互いに反対のもので、どっちにもつくことができず苦しい状態を指して使用をします。
「矛盾」と「ジレンマ」の違い
2つの物事についての言葉である点は同じですが、意味は異なります。
前者はつじつまが合わないという意味です。
後者は間に挟まれて苦しい状態という意味です。
「矛盾」の例文
・『矛盾を指摘する』
・『矛盾しないようにする』
「ジレンマ」の例文
・『創作に関するジレンマ』
・『ジレンマが生まれる』
まとめ
2つの物事に関する言葉ですが、一方はつじつまが合わないこと、もう一方は間に挟まれて苦しいことで意味は異なります。