この記事では、「マルチーズ」と「シーズー」の違いを分かりやすく説明していきます。
「マルチーズ」とは?
「マルチーズ」とは、愛玩犬として非常に歴史の古い種類で、紀元前1500年頃にマルタ島にフェキニア人と呼ばれる地中海東岸から交易などを目的として訪れていた水夫が持ち込んだ犬が起源とされています。
ギリシャの壺や皿などに「マルチーズ」のような犬が描かれていたり、「マルチーズ」の墓が建てられたり、愛玩犬としてとても可愛がられていた事がわかります。
体長は20~25センチ、体重は3キロ前後で、光沢のかかった純白の毛が大きな特徴です。
「マルチーズ」と言えば白い毛のイメージですが、白以外のレモン色やベージュなどの個体も存在します。
その特徴的の毛並みのため、毛玉になりやすく、飼い主の手入れが必要で、家庭でペットとして飼う場合はほとんどが短くカットする事が多くなっています。
非常に人懐っこく、従順で、初心者でも飼いやすい犬種です。
しかし、清潔さを好む日本人は白く美しい毛並みを汚さないように、コミュニケーションを取る事を嫌がる飼い主が少なくないため、上述した性格とは違う繊細で内向的な個体になってしまう事もあります。
「シーズー」とは?
「シーズー」は、「獅子狗」とも呼ばれる中国原産の愛玩犬です。
チベット高原で飼われていた愛玩犬のラサ・アプソと、中国の愛玩犬のペキニーズの交配種です。
寒冷地方の犬がもとになっているので、下毛が密集していて防寒に優れています。
体長は20~30センチ、体重は5~8キロ程度で、菊の花のようなに見える事からクリサンセマム・ドッグと呼ばれる事もあります。
頑固な性格でプライドが高く、活発な犬種で、よく吠えるためしっかりとした躾が必要です。
寒冷地方出身の犬が祖先のために、暑さに弱く、夏場の健康管理には十分注意する必要があります。
「マルチーズ」と「シーズー」の違い
「マルチーズ」と「シーズー」は、体長や体重、毛並みなどはとても似ている犬種です。
しかし、原産についてマルタ島である「マルチーズ」と、中国の「シーズー」では異なっています。
毛並みはどちらもなしなやかで、毛玉になりやすく、ブラッシングなどの手入れが必要ですが、「マルチーズ」の場合、ほとんどの個体が美しい純白の毛色が特徴です。
「マルチーズ」は穏やかで従順な性格ですが、「シーズー」は頑固で繊細な性格で、躾の仕方によってはとてもよく吠える個体になってしまいます。
「マルチーズ」と「シーズー」はどちらもFCIによる犬種グループでは9G(愛玩犬)に分類されています。
まとめ
「マルチーズ」と「シーズー」は、体長や毛並みはとてもよく似た犬種ですが、性格は違います。
原産も違いますので、育成されてきた環境も異なっている犬種です。
しかし、愛玩犬としてはどちらも歴史があり、長年人類に愛され、共存してきた犬種と言えるでしょう。