この記事では、「トレードオフ」と「機会費用」の違いを分かりやすく説明していきます。
似ている言葉を見分けていきましょう。
「トレードオフ」とは?
トレードオフとは何かを得るために、何かを削らなければいけない概念のこと。
おもに起業やビジネスの世界で用いられています。
社会で稼ごうとすると、つい目先の利益ばかり追いかけてしまいます。
けれども手にした利益には、少なからず損も生じています。
商いの基本を教えてくれるのが「トレードオフ」です。
例えばあるステーキ店があったとします。
このお店の定番メニューを値上げすると、お店としての利益は上がるものの、一方で常連のお客さんが逃げてしまうというデメリットもあります。
このように美味しい思いをしようと思ったら、何かを手放さなければいけないのがトレードオフです。
トレードオフはもともと「相殺取引・交換条件」をあらわします。
商いの世界でいつでもプラスの面ばかり見ていると、思わぬマイナスの面が出てきて、足を引っ張られてしまうことがあります。
そうならないように、常に現実を見据えておき、いい面と悪い面を想定しておくのがトレードオフの考え方になります。
「機会費用」とは?
機会費用(きかいひよう)とは、手に入れていたはずの利益のこと。
こちらの道を進んでいたら、得られていたはずの利益をあらわします。
簡単にいうと「選択を誤ってしまった残念なパターン」が機会費用です。
例えば5年前に買おうと思って、やめたゲーム機があったとします。
そのゲーム機が10年経ってプレミア価格となり、10万円の値がついたとします。
このときの機会費用は10万円です。
「ゲーム機を購入する」というカードを切らなかったので、結果的には手に入らなかった空想上の利益をいいます。
機会費用は過去の失敗を、ただ悔やむために存在するのではありません。
あるアクションを取らなかったとき「それが結果的に機会費用となりマイナスとなって跳ね返ってしまうこと」を知るための教えです。
ビジネスチャンスを逃さないための、前向きな考え方となります。
「トレードオフ」と「機会費用」の違い
「トレードオフ」と「機会費用」の違いを、分かりやすく解説します。
・プラスとマイナスのトレードオフ、マイナスの機会損失
どちらも企業経営を考えたとき、無視できない概念です。
ただその内容が、少しずつ異なっています。
トレードオフはプラスとマイナス、メリットとデメリットを含みます。
会社としての利益もあれば、一方で損失もあると考えるのがトレードオフの基本となります。
そして機会損失は「なすべき行動をとらずに、生まれた損失」をあらわします。
まとめると利益と損失がトレードオフ、過去の損失が機会損失です。
まとめ
「トレードオフ」と「機会費用」の違いを分かりやすくお伝えしました。
トレードオフとは交換条件のこと。
ある利益を得る代わりに、目をつぶらなければいけない損失をあらわします。
そして機会損失とは、ある行動を取らなかったがための過去の損失です。
商いに活かしてみてください。