この記事では、「認識」と「認知」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「認識」と「認知」の違い
「認識」は、ある物事を知りはっきりとその本質を理解することという意味があり「認知」は、ある物事をはっきり認めることという意味があります。
どちらも物事を認めるという意味では似ている言葉ではありますが、「認知」はただ知ることだけを言い表しているのに対して「認識」は知った上で本質を理解するという意味も含まれるという違いがあります。
「認知」よりも「認識」の方が、より深く物事を知るという意味になります。
「認識」と「認知」の使い方の違い
「認識」と「認知」は、意味は似ている言葉ではありますが、使い方や使う場面では大きく違います。
「認識」は判断が出来るのかどうかという場面で使うことができる言葉であり、「認知」ははっきりと認めることができるのかどうかという場面で使う言葉になります。
「認識」と「認知」の英語表記の違い
「認識」と「認知」は英語表記ではどちらも“recognition”、“cognition”と表します。
“recognition”、“cognition”はいずれも「認識」と「認知」という意味が含まれているので、英語表記では大きな違いはないようです。
「認識」の意味
「認識」とは、ある物事を知り、本質を明確に把握することという意味があります。
また、それを判断するという意味もあります。
ある物事を知るだけでなく、その内容をしっかり理解することまでが含まれるということが特徴です。
「認識」の使い方
「認識」は、ある物事を判断できるのか、できないのかという場面で使う言葉です。
しっかり内容を理解していないと使うことができない言葉です。
「認識」を使った例文
・『登山をするにもかかわらず薄着で来てしまい、危険性の認識が甘かった。』
・『これは間違いであったので、認識を改めなくてはいけないようだ。』
・『遠くから見ても、彼女の姿を認識することができた。』
・『他社の人との交流を通して、お互いの認識を深めることができた。』
「認識」の類語
「認識」の類語は、ある物事の意味が分かることという意味がある「理解」があります。
「認識」と同じく、知ることという意味をもつ言葉です。
自分の価値をしっかりと知ることという意味の「自覚」や、心の動きを感知するという意味の「感覚」などもあります。
「認識」の対義語
「認識」の対義語として使われている言葉は、事実として認めずに承認しないという意味の「否認」や、物事を嘘であるなどと打ち消すという意味がある「否定」などがあります。
「認知」の意味
「認知」とは、ある物事をはっきりと受け入れて認めることという意味があります。
物事を知った上で、それが何なのか解釈をしたり判断したりする過程のことを言います。
また、脳に障害が起こることにより、生活に使用が出てしまう症状のことを言う「認知症」や、適切に行動する為の、脳の機能のことを言う「認知機能」のように「認知」という言葉を使った言葉も多くあります。
「認知」の使い方
「認知」は、ある物事を認めることができるのか、できないのかという場面で使う言葉です。
法律用語としても「認知」という言葉を使うことがあります。
一番多く使われるのは子供の認知に関することで、父や母が実の子供であると認めることで親子関係が成立するというときに使われます。
「認知」を使った例文
・『私が開発した商品が、ようやく世間で認知されるようになった。』
・『テレビ番組に出演したことで、認知度が以前より高まったようだ。』
・『運転中に道路にある標識を認知するのが遅れてしまった。』
・『今おかれている状況を、しっかり認知する必要がある。』
「認知」の類語
「認知」の類語として使われている言葉は、ある変化などを感じ取って気が付くという意味の「感知」や、推測をして知るという意味の「察知」、詳しいことまでよく知るという意味の「熟知」などがあります。
いずれも「認知」と同じく「知」という言葉が使われる言葉が多いようです。
「認知」の対義語
「認知」の対義語として使われているのは、事実として認めずに承認しないという意味の「否認」や、物事を嘘であるなどと打ち消してしまうという意味がある「否定」などがあります。
まとめ
「認識」と「認知」は日常生活やビジネスシーンなどで良く使われる言葉です。
同じ「認」という字が使われていることもあり、間違って覚えていたり混同している人も多いかもしれません。
どちらも物事を認めるという意味では同じですが、「認知」はただ知ることだけを言い表しているのに対して「認識」は知った上で本質を理解するという意味も含まれるという違いがあります。
しっかりと意味の違いや使い方を理解し、状況に合わせて使い分ける必要があります。