気持ちを表して贈られたり、お供えされる「寸志」・「祝儀」・「香典」。
この記事では、「寸志」と「祝儀」と「香典」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。
「寸志(すんし)」の意味とは?
「寸志」とは、「少しばかりの思いやりの気持ち」や「わずかな心配り」という意味を込めて贈られる金品のことを指します。
「寸」は「一寸」(=3. 03cm)のように昔の日本で用いられていた長さの単位でありますが、その他に「ほんの少し」や「わずか」という意味が含まれる字です。
「志」は読みの通り「こころざし」という意味の他、「思いやりの気持ち」という意味が含まれる字です。
相手に対する「少しばかりの思いやりの気持ち」を込めて、主に金銭として、もしくは、金銭の代わりに品物として贈られるのが「寸志」です。
あくまで「少しばかり」なので、金銭を贈る場合は高額にならない程度の金額を包むようにしなければなりません。
「寸志」で包まれる金額に明確な基準はありませんが、だいたい数千円から1万円の間で包まれることが一般的のようです。
また、「寸志」は目上の人から目下の人に贈られるものであるため、目下の人から目上の人へ贈られることはありません。
「寸志」は「結婚式」や「葬式」などで、催した側が手伝ってくれた人たちなどにお礼や労いとして渡されます。
ビジネスシーンでも会社の集まりなどで上司から部下へ贈られるケースや、「ボーナス」や「賞与」のように会社から従業員へ「寸志」が支払われるケースがあります。
「祝儀(しゅうぎ)」の意味とは?
「祝儀」とは、祝いの儀式や慶事に祝意を込めて贈られる金品のことを指し、「御祝儀」や「ご祝儀」とも呼ばれています。
現在では、披露宴に招待されたゲストが新郎新婦を祝う気持ちを込めて贈る金銭を指して用いられることがほとんどです。
「祝儀」で包まれる金額は基本的に奇数の金額を包むのが一般的となっています。
これは、「割り切れる」=「新郎新婦が別れる」を連想させるため、偶数は縁起の悪い数字として避けられているためです。
「祝儀」にも明確な金額は定められていませんが、相場として3万円や5万円を包むことが多いようです。
「香典(こうでん)」の意味とは?
「香典」とは、葬式において、故人に対する弔意を込めて、お花やお香、抹香の代わりとしてお供えする金品のことを指します。
「香典」で包まれる金額は、自分と故人との関係によって変わり、「1」、「3」、「5」、「10」の数字で包むのが一般的です。
これは、「死」を連想させる「4」や「苦」を連想させる「9」、「割り切れる」=「故人との関係が切れる」を連想させる偶数は縁起が悪い数字として避けられているためです。
また、「祝儀」では新札を包むのに対して、「香典」では使い古したお札や折り目を付けたお札を包まなければなりません。
まとめ
・「寸志」とは、「少しばかりの思いやりの気持ち」や「わずかな心配り」という意味を込めて贈られる金品のことを指します。
目上の人から目下の人へ贈られるもので、プライベートシーンやビジネスシーンを問わず、お礼や労いの気持ちを表して用いられています。
・「祝儀」とは、祝いの儀式や慶事に祝意を込めて贈られる金品のことを指します。
現在では、披露宴に招待されたゲストが新郎新婦を祝う気持ちを込めて贈る金銭のことを指すのがほとんどです。
・「香典」とは、葬式において、故人に対する弔意を込めて、お花やお香、抹香の代わりとしてお供えする金品のことを指します。