「叱る」と「怒る」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「叱る」と「怒る」の違い生活・教育

この記事では、「叱る」「怒る」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「叱る」と「怒る」の違い

「叱る(しかる)」とは、相手に対して悪いことを教えてより良い方向を示すことです。

本来の「叱る」には、責める、とがめるといった強く非難するような意味合いが強かったのですが、現在ではその意味合いが薄れていき、最初にあげたようなポジティブな意味合いで使われることが多くなりつつあります。

「怒る(おこる)」とは、不満や不快感があってがまんが出来ない気持ちのことで、腹を立てる、憤慨するなどの荒れ狂うような感情を表すという意味と、良くない言動を感情にまかせて強くとがめるといった意味合いがあります。

本来の「怒る」の読みは、「いかる」で、腹を立てる、憤慨するなどの荒れ狂うような感情を表す意味合いしかありませんでしたが、怒りの感情が起こるという意味合いの当て字がなされて現在の読み方と意味合いも加えられています。


「叱る」と「怒る」の使い方の違い

「叱る」「怒る」の本来の意味の違いは、怒りの感情がともなうかどうかに限定されるため、「叱る」方法の中に怒りの感情が混ざっていたとしても間違いではありません。

現代での使われ方には、怒りの感情が入った「叱る」は、「怒る」であると区別される場合が多いので使いわけた方が無難です。

現在の「叱る」は、同じ間違いを犯さないために行う説教として使われるため、何が悪かったのかを相手に理解させることが重点に置かれています。

言い換えれば、話の筋が通っていて論理的に説明できる状態であるということになります。

つまり、「叱る」には、相手のことを考えて、相手にとって今後のことが良くなるように行われるという意味合いがあります。

「怒る」は、自分の感情を爆発させて、相手を責めるという意味合いで使われているので、相手の気持ちが考慮されておらず、自分の感情のみで責めたてることになります。

「怒る」ことは、そもそも感情が高ぶっているので、まとまりのない話に成ってしまいがちです。

相手に理解されないばかりか更なる怒りを引き起こす原因になってしまうので、出来るだけ「怒る」ことは避けた方が無難です。

「叱る」は、相手のことをおもいはかっており、話の筋が通っていて論理的に説明できる状態に使われるのに対し、「怒る」は、相手に自分の感情をぶつけおり、感情的に成って強くとがめる状態に対して使われるという違いがあります。


「叱る」と「怒る」の英語表記の違い

「叱る」の英語表記は、“tell off”“reprimand”“warn”“lecture”などが考えられます。

“tell off”は、小言を言う、しかりつけるなどの意味があり、ちょっとしたことを叱るときに使われる表現です。

“reprimand”は、公式で厳しい叱責、懲戒などの意味があり、上司が部下を叱るときや、公式な場で使われる表現です。

“warn”は、警告する、注意を与える、注意するなどの意味があり、ちょっとしたことを叱るときに使われる表現です。

“lecture”は、抗議、説教、小言などの意味があり、怒りの感情が無い場合には適切な表現です。

「怒る」の英語表記は、“scold”“yell at”“come down on”“blow up at”“angry”などが考えられます。

“scold”は、うるさくしかる、がみがみ小言をいうなどの意味があり、たんに叱るというよりも、感情をともなってうるさく怒るときに使われる表現です。

辞書では叱ると書かれている場合もありますが、ここでは怒るに分類します。

“yell at”は、怒鳴る、大声をあげる、大声でいうなどの意味があり、大声で怒るときに使われる表現です。

“come down on”は、不意に襲い掛かる、しかりつける、厳しく非難するなどの意味があり、頭ごなしに叱りつけるときに使われる表現です。

“blow up at”は、腹を立てるという意味があり、感情をともなって怒っているときに使われる表現です。

“angry”は、怒って、腹をたてて、怒りの、激しいなどの意味があり、怒りの感情を表す表現です。

「叱る」と「怒る」のを使った例文

・『優しく叱ることも大事だ』
・『叱るより伝えることの方が大事だ』
・『どうでも良い相手なら叱らずに放っておく』
・『顔を真っ赤にして怒る』
・『感情的になじって怒る』
・『他人に興味と期待が無かったら怒ることもない』

「叱る」の類語

類語には、叱責、咎める、戒める、諭すがあります。

叱責は、他人の失敗やあやまちなどをしかることです。

咎(とが)めるは、あやまちや、欠点などを取り上げて責めることです。

戒(いまし)めるは、まちがいをしないように前もって注意することや、禁止すること、同じ過ちを犯さないようにしかることです。

諭(さと)すは、納得するように教えて導くことや、目下の人にものごとを言い聞かせることです。

「怒る」の類語

類語には、怒鳴るがあります。

怒鳴るは、大声でよぶことや、大声でしかりつけることです。

「叱る」と「怒る」の対義語

対義語は、ほめるがあります。

ほめるは、人のしたいことやしたことを優れていると評価していうことです。

まとめ

「叱る」は、相手に対して悪いことを教えてより良い方向を示すことであるのに対し、「怒る」は、良くない言動を感情にまかせて強くとがめるという意味の違いがあります。

「怒る」は、不満や不快感があってがまんが出来ない気持ちも表します。

「叱る」は、相手のことをおもいはかっており、話の筋が通っていて論理的に説明できる状態に使われるのに対し、「怒る」は、相手に自分の感情をぶつけおり、感情的に成って強くとがめる状態に対して使われるという違いがあります。