「議員」と「政治家」と「代議士」の違いとは?分かりやすく解釈

「議員」と「政治家」と「代議士」の違い専門用語・業界用語

政治活動する人を表す言葉として「議員」「政治家」「代議士」があります。

これらの言葉にはどのような意味の違いがあるのでしょうか。

今回は、「議員」「政治家」「代議士」の違いについて解説します。

「議員」とは?

「議員」とは、「議会制民主主義の社会において選挙によって選ばれ有権者の代表として議会に参加する人」を意味する言葉です。

日本における「議員」には国民の代表として国会に参加する「国会議員」の他に「県会議員」「市会議員」「区会議員」など地方議会に自治体の有権者代表として参加する「地方議員」が存在します。

「議員」は原則として公選で選出され民主主義社会においては全ての有権者に平等に投票権が与えられる普通選挙によって選ばれたものが「議員」になります。

「議員」は議会において法案や条例の提出権を持つほか質問権など持ち議事に参加し議決権を有する人を指します。


「議員」の例文

・『選挙で当選した議員がインタビューを受けている』
・『議員の数を減らすと有権者の声が議会に届きにくくなってしまう』


「政治家」とは?

「政治家」とは、「政治に携わる職業もしくはその職業に就いている人」を意味する言葉です。

政治活動している人を指す言葉が「政治家」であり身分や立場は問いません。

一般的には選挙で選ばれて公の政治に関わる人に対して使われる言葉ですが必ずしも公の政治に関わる人に対してのみに用いられる表現ではなく本人の意志が重要になります。

長年政治に関わっていたが選挙で落選し現在は無職であった場合、本人に政治への意欲があり自戒の選挙へ出馬する意欲があったり位置民間人として政治運動を実行していたりする場合は「政治家」に当てはまります。

「政治家」の例文

・『将来の夢は政治家です』
・『政治家は苦労の割に報われない仕事だ』

「代議士」とは

「代議士」とは、「有権者の代表として議会に出席する人」を意味する言葉で現在の日本では「衆議院議員」を指します。

議会には身分を問わず選挙で選ばれた人によって構成されるものと立場や身分によって選ばれるものの二種類があります。

後者の議会はもともと身分の高かったもので構成される「貴族院」が代表的なもので構成員は有権者の代表ではなく伝統的に受け継ぐ身分や立場を持って議会の構成員に選ばれています。

「代議士」という言葉が指すのは「国民の代表として議会に参加する人」なので貴族院的な声質を持つ議会の構成員は含まれません。

参議院はもともと明治憲法下の帝国議会までは貴族院であったことから「代議士」は衆議院の構成員のみを指す言葉として用いられています。

「代議士」の例文

・『代議士の妻ともなれば人付き合いも多くなるのも当然だ』
・『収賄の疑いで代議士が逮捕された』

「議員」と「政治家」と「代議士」の違い

「議員」「政治家」「代議士」はどれも政治家を職業とする人を指す言葉です。

「議員」「代議士」が選挙で選ばれて議会に参加する人を指すのに対し「政治家」は政治活動を専門に行う人を指すという違いがあります。

「議員」「代議士」「政治家」に含まれますが落選中の政治家や選挙での当選めざして活動中の新人など議席を持っていない人も「政治家」です。

議席を持つ有権者の代表という点は共通していますが「議員」はどの議会の構成員に対しても使えるのに対し「代議士」は普通選挙で選出された人、日本では衆議院議員のみに対して使われます。

まとめ

政治に関する言葉は厳密な定義によって区別されていることが多く混同すると誤用を招きます。

それぞれの言葉の意味をきちんと知っておきましょう。