教育機関で実施される教育プログラムとして「講義」と「演習」と「実習」があります。
これらはどのような違いで区別されるのでしょうか。
今回は、「講義」と「演習」と「実習」の違いについて解説します。
「講義」とは?
「講義」とは、「知識や技術を伝えるため指導者が多数を相手に行う説明や質疑応答」を意味する言葉です。
一般的に「講義」という表現は「一対多数で行われる学術のための談話」を指します。
「人々を教育するため知識や技能に優れるものが理論や用法などをわかりやすく解説する行為」が「講義」であり、一般的には大学などの教育機関で実施されます。
基本的には指導者が独自の理論や考えなどを述べることを「講義」といい、特定のカリキュラムや教えにそって行われる「授業」とは区別されています。
「講義」の例文
・『大学の講義に出席する』
・『講義の内容をノートに書き留める』
「演習」とは?
「演習」とは、「実際にやることを想定して行う模擬的行為」を意味する言葉です。
物事を習得するためには実際の場面を想定してやることがとても重要な意味をもちます。
「演習」とは「実際の場面に備えて本番を想定し同じようにやる練習」を意味する言葉で、環境や条件など実際の場面を想定して仮想的に用意してできる限り本番に近づけて行われます。
用意が難しいものなどは代替物を用意するなどして本番さながらの状況が用意され本番に通じる感覚や技術の習得をめざします。
「演習」の例文
・『実践に備えて演習で経験を重ねる』
・『演習で培った経験を活かせば本番を恐れる必要はない』
「実習」とは
「実習」とは、「実際の場で行われる実践練習」を意味する言葉です。
練習や勉強は学校など特定の場所で行われますが「実習」は実際の場面で行うものを指します。
例えば自動車整備工をめざすものが営業している自動車工場で整備業務についたり看護師をめざすものが看護師の指導により病院で医療業務についたりするような「経験を積むために実際の場で実践すること」を「実習」と表現します。
「実習」ができるのは実践できるような実際の場があるものに限られます。
物理学や数学など単体としての学問には「実習」はありません。
身につけた技能や知識を披露するのが「実習」なので学問の場合は学生に対する授業体験など間接的に学問を披露する行為が「実習」に当たります。
「実習」の例文
・『看護師の卵が病院で実習を重ねる』
・『実習で得た経験は何物にも代えがたい財産だ』
「講義」と「演習」と「実習」の違い
「講義」と「演習」と「実習」はどれも成長に通じる教育を意味する言葉です。
「講義」と「演習」が教室や講堂など教育機関やそれに類する場所で行われるのに対し「実習」は教育機関を離れ実際の現場で行うという違いがあります。
「講義」は指導者が生徒や学生に対して談話する形式で行われますが、「演習」と「実習」は知識や技能を身につけようとするものが自ら行動するという教わるスタイルに違いがあります。
まとめ
「講義」と「演習」と「実習」はどれも知識や技能を身に付けるための教育行為を意味しますがそれぞれやり方や形式に違いがあります。
同じ教育内容でも大きな違いがあるのでどのような方法で教育が行われるかに注目してふさわしい言葉を選んでください。