現代においては、刀というものを見る事自体がほとんどありません。
剣道は学生にも教えられていてポピュラーですが、使用するのは竹刀なので、刀という意識はありません。
実際に明確に意識するのは「居合」などのデモンストレーションを見るときです。
それでは、この「居合道」とはどういうものでしょうか。
似たものとして「抜刀術」や「剣術」もありますが、違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「居合道」と「抜刀術」と「剣術」の違いを分かりやすく説明していきます。
「居合道」とは?
「居合道」とは、江戸時代に生まれた「刀を抜いて振る」ことを中心にした武道です。
元々は後述の「抜刀術」や「居合術」と呼ばれていた、一種の戦闘技術が元になっています。
現代では武道として行われているので、目的は精神的な鍛錬ということになります。
一般的には刀を鞘に収めた状態で座った姿勢から刀を抜いて数回振って鞘に収めるという一連の動きで行われます。
使用するのは現代ではほぼ模造刀出会うが、デモンストレーションとして真剣を使用する場合もあります。
「抜刀術」とは?
「抜刀術」とは、「居合術」と同様に戦国時代から江戸時代にかけて成立した、文字通り「刀を抜くことに主眼を置いた」戦闘技術のことを言います。
流派によっては「居合」との違いを定義していることもありますが、多くの場合には明確な違いはありません。
「剣術」とは?
「剣術」とは、文字通りの「剣の術」のことです。
つまり、「刀を使用した戦闘の技術」と言うこともできます。
通常は、刀を抜いて相手と対面している状態からのアクティビティになるので、主眼は刀を出したり、振り下ろしたりと言うことに対して、避けたり、受けたりすることになります。
そういった意味では剣道に通じるものがあります。
「居合道」と「抜刀術」と「剣術」の違い
「居合道」と「抜刀術」と「剣術」の違いを、分かりやすく解説します。
これらは刀を使用した技術のことであるという部分では同じです。
まず、大きな違いは「剣術」は「刀を抜いた状態からのアクティビティ」で、「居合術」と「抜刀術」は「刀を鞘に収めた状態からのアクティビティ」であるということです。
これは言い方を変えれば「剣術」は「戦闘時の技術」であり、「居合道」と「抜刀術」は「通常の生活時の技術」であるとも定義できます。
それでは、「居合道」と「抜刀術」の違いですが、歴史的には戦国時代から発展してきた「抜刀術」が「居合道」の源流であるというのが一般的な見方なので、大きな違いは無いと言っても良いでしょう。
まとめ
この記事では、「居合道」と「抜刀術」と「剣術」の違いを説明してきました。
一時はテレビでも多く放送していた時代劇ですが、撮影のコストの面や、小道具、必要となる特殊な技術者がいなくなったことから、ほぼ皆無になっています。
そのため、刀自体を見ることもなくなりました。
一方、包丁やナイフなどの小型の刃物は身近に存在していて、すぐに手に取ることもできます。
この状況は、時代劇がポピュラーであった時代にはある程度持っていた刃物に対する知識がない状態とも言えるので、危険との説もあります。