賃貸のアパートや家などを借りる際には通常、契約書を作ります。
その契約書には、必ず「賃貸人」と「賃借人」という名称が記載されていますが、一般の人にもわかりやすいように、これらを「賃借人(借主)」と「賃貸人(貸主)」というように記述する場合もあります。
それではこの「貸主」、「借主」とはどういう意味でしょうか。
他にも似たような言葉として「家主」がありますが、違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「家主」と「貸主」と「借主」の違いを分かりやすく説明していきます。
「家主」とは?
「家主」とは、「やぬし」と読み、文字通り「家の主」、つまり「家を所有している人」のことを言います。
他の2つの言葉とは違って、賃貸契約の主体としての名称ではありません。
ただ、「家主」が貸すことも多いので、その場合は「貸主」でもあります。
カジュアルな言い方として「大家さん」とも言われます。
英語では「owner」が近いでしょう。
「貸主」とは?
「貸主」とは、「かしぬし」と読み、文字通り「貸している主」のことであり、通常は「家や部屋などを他の人に貸している人」を示す言葉です。
賃貸借契約の場合は対価として賃料をもらうことになります。
通常は、「借主」が適切な状態で使用できるようにする義務を負います。
英語では「lender」あるいは「lessor」が近いでしょう。
「借主」とは?
「借主」とは、「かりぬし」と読み、文字通り「借りている主」のことであり、通常は「家や部屋などを他の人から借りている人」のことを示す言葉として使用されます。
賃貸借契約の場合は、その対価としての賃料を支払うことになります。
契約の内容にもよりますが、「貸主」に対して、原状復帰などの一定の義務があります。
英語では「borrower」あるいは「lessee」が近いでしょう。
「家主」と「貸主」と「借主」の違い
「家主」と「貸主」と「借主」の違いを、分かりやすく解説します。
これらの言葉は、全てに「主」が付いていることからわかるように、家などの貸し借りで「主体」となる人のことですが、それぞれ意味と使われるシチュエーションが違います。
つまり、「貸主」は「貸す人」、「借主」は「借りる人」であり、「家主」は「所有者」ということです。
通常、賃貸借契約は「貸す人」と「借りる人」の間で交わされるので、この時に「所有者」である「家主」は「貸主」出ない限りは、関係ありません。
まとめ
この記事では、「家主」と「貸主」と「借主」の違いを説明してきました。
序文で説明したように、家やアパートを借りる際に関係者として定義されているのが「賃借人」と「賃貸人」です。
契約として交わされるのが「賃貸借契約」という名前であるように、ここで使われている「賃」とは「賃貸借」の「賃」です。
これは、通常は「借りるに当たって賃料を支払う」というのが前提になっていますが、賃料を払わない契約もあり、それは「使用貸借」と呼ばれます。