紛争を表す言葉として「蜂起」と「暴動」と「一揆」がありますが、これらの表現にはどのような意味後街があるのでしょうか。
今回は、「蜂起」と「暴動」と「一揆」の違いについて解説します。
「蜂起」とは?
「蜂起」とは、「多くの人が共通する意志を示す目的で一斉に行動を起こすこと」という意味の言葉です。
人々一斉に行動する姿が蜂の巣をつつくと蜂が一斉に飛び出してくる様子に似ているこ都に由来する表現で「何かの出来事をきっかけに大勢が同時に立ち上がり行動すること」を指します。
一般的にや力ずくだったり暴力的だったりする行動が一度に起きることを「蜂起」と表現していますが、本来の意味からすると必ずしも暴力的な要素は必須ではありません。
話し合いのためやでも平和的な手法によるデモ活動のための行動に対しても「蜂起」という表現が用いられます。
武力を含む過激な行動を開始することを特別に法規は「武装蜂起」と呼びます。
「蜂起」の例文
・『圧政に反発した若者が各地で一斉に蜂起した』
・『首都郊外で蜂起したデモ隊は徐々に勢力を拡大し首相官邸をめざして進んでいる』
「暴動」とは?
「暴動」とは、「多くの人々が無秩序に入り乱れて暴れること」を意味する言葉です。
一般的には「統制のとれていない騒乱状態のこと」を指して「暴動」と表現します。
多くの人が起こす暴力行動を意味しますが組織的なものではなく、集団が一種のパニック状態に陥りそれぞれが好き勝手に暴力的な行動をとっている状況が「暴動」です。
先導役や旗振り役のようなきっかけになる人物がいることはありますが、多くはコントロールされたものではなくそれぞれの参加者自身の勝手な判断による暴力行為が広がってしまった結果として「暴動」に発展します。
自然発生的に起こる集団行動なので目的もなければゴールもなく、ほとんどの場合は治安維持勢力による鎮圧をきっかけにして熱が冷めたように自然消滅で終了します。
「暴動」の例文
・『裁判所前の抗議集会が暴動に発展してしまったらしい』
・『暴動を鎮圧するために州兵が投入された』
「一揆」とは
「一揆」とは、「圧政に抵抗するために農民などが反乱を起こすこと」を意味する言葉です。
「一揆」という言葉は主に中世から近代にかけて見られた庶民の抵抗運動に対して用いられる言葉です。
基本的には過酷な年貢の取り立てや厳しい弾圧など支配者の非人道的な行為に対する反乱であり「生きていくためにやむなく行われる非支配者による抵抗運動」を「一揆」と表現します。
「一揆」の例文
・『農民の一揆により代官が討ち取られた』
・『江戸幕府は一揆に対し厳しい姿勢を崩さなかった』
「蜂起」と「暴動」と「一揆」の違い
「蜂起」と「暴動」と「一揆」の違いは「暴力性」です。
「蜂起」は大勢が一斉に行動を起こすことを意味し暴力的なものもそうでないものも含みます。
「暴動」は集団が無秩序に暴力的な振る舞いをすることを意味し非暴力的なものは含みません。
「一揆」は弾圧への反発として起きる抵抗活動を意味し手段として暴力も伴いますが目的達成のための手段であり行使されずに終わることもあります。
まとめ
「蜂起」と「暴動」と「一揆」はどれも大勢の行動を意味する言葉ですが意味合いはそれぞれ異なります。
騒動の目的や状況に合わせてふさわしい言葉を使ってください。