「必至」と「必定」と「必須」の違いとは?分かりやすく解釈

「必至」と「必定」と「必須」の違い生活・教育

この記事では、「必至」「必定」「必須」の違いを分かりやすく説明していきます。

「必至」とは?

「必至(ひっし)」とは、「必ずその結果に至ること(到達すること)」を意味している言葉です。

「必至」の表現は、「(どのような選択をしようとも)そうなること」「必然的にその結果になること」を示唆しています。

「必至」には、「必ずその結果に到達することが不可避である」といった意味のニュアンスが備わっています。

「必至」の同音異義語に「必死」があります。

「必死」「死に物狂いで懸命に頑張ること・死ぬ覚悟を持って励むこと」を意味していて、「必至」とはまったく異なる意味になります。


「必至」の例文

・『外国人のテロリストによって大勢の被害者が出た以上、軍事的な緊張が発生することは必至です』
・『企業のずさんな品質管理によってお客さんに健康被害が出てしまったからには、翌日の株価が暴落するのは必至です』


「必定」とは?

「必定(ひつじょう)」とは、「必ずそのようになると定められていること」を意味しています。

「必定」とは、「あらかじめその結果になることが決まっていること・必ずそうなると分かっているさま」を示している言葉です。

仏教用語の「必定」は、「必ず成仏・極楽往生すると定められている」の意味になります。

「必定」の例文

・『このまま船が沈没することになれば、数百名以上の乗客乗員が水死・凍死することは必定です』
・『彼女が本来のパフォーマンスを発揮できれば、優勝することは必定です』

「必須」とは

「必須(ひっす)」とは「必ず須いる(もちいる)べきこと」原義であり、「必要であること」を意味しています。

「必須」「須いる」「用いる」の同義語として解釈することができます。

「必須」というのは、「それがなければならないこと・それを欠かしてはならないこと」を示唆している言葉なのです。

「必須」の表現は、「欠かせずそれが必要なこと」を意味しています。

「必須」の例文

・『国立大学を受験するのであれば、数学や理科も必須科目なので重点的に勉強しておく必要があります』
・『航空機や宇宙船のパイロットになるためには、学歴・学力・資格などだけではなく、視力をはじめとする身体機能に関連する必須条件もあります』

「必至」と「必定」と「必須」の違い

「必至」「必定」「必ずそうなること」の意味ではほぼ同じですが、「必至」「現在の勢いや傾向から見て、その結果に必ず到達すること」に意味の重点が置かれています。

「必定」「その結果になると論理的・運命的に決まっていること」に意味の重点がある違いを指摘できます。

「必須」には「必ずそうなる」のニュアンスはなく、「必ず用いるべき・欠かすことができず必要である」という異なる意味を持っています。

そのため、「必須科目」「必至科目・必定科目」と言い換えると意味が通じない言葉になってしまうのです。

逆に「犠牲が出ることは必至(必定)」という文章も、「犠牲が出ることは必須」に言い換えることはできません。

まとめ

この記事では、「必至」「必定」「必須」の意味の違いを分かりやすく説明しました。

「必至」「必定」「必須」の意味や用法の違いを詳しくリサーチしたいときは、この記事の解説をチェックしてみてください。