「損傷」「故障」「破損」はものが壊れることを意味する言葉ですが、使い方は少しずつ異なります。
この記事では、「損傷」と「故障」と「破損」の違いを分かりやすく説明していきます。
「損傷」とは?
「損傷」【そんしょう】とは、物品や身体が傷つけられて一部が壊れたり怪我を負ったりすることです。
「損傷」に使われている漢字の意味を見てみると、「損」は欠けること、失うこと、壊れることを表し、「傷」は物の欠けた部分や受けた打撃を表しています。
このことからも、熟語の「損傷」は、外部からなにか物理的な衝撃を受け、その部分が壊れる様子を指していることが分かります。
これは、物品や人の体などが物理的な衝撃を受け、その部分が壊れたり傷ができたりすることを表す言葉です。
道路や建物、器物が部分的に壊れている様子を指すこともありますが、生物の筋肉、臓器、神経などが傷つく様子を表すことが多くなっています。
「損傷」の例文
・『この道路は古いので、舗装のはがれや穴などの損傷が見受けられる』
・『事故で脳に損傷を受けたため、後遺症として体にまひが残った』
「故障」とは?
「故障」【こしょう】とは、機械の一部に問題が起きて正常に機能しなくなることです。
また、身体の機能が正常に動かなくなること、物事の進行になんらかの差し障りが出ることを指すこともあります。
「故障」に使われている漢字に目を向けてみると、「故」は良くないこと、「障」は傷や病気があることを意味し、またどちらも差し障りがあるという意味を持っています。
このことからも、熟語の「故障」は、どこかが壊れて具合が悪くなっていること、物事に差し障りがあることを表していることが分かります。
これは、主に機械の一部に原因があって正しく機能しなくなったり動かなくなったりすることを指す言葉です。
また、その様子になぞらえ、人が負傷などで仕事や運動ができなくなる様子も「故障」と呼ぶことがあります。
そのほか「物事の進行をさまたげるもの」という意味も持ちます。
「故障」の例文
・『パソコンが故障したので修理に出す』
・『肩が故障したので、もう野球はできない』
・『故障があって計画が中止になってしまった』
「破損」とは
「破損」【はそん】とは、器物が傷つけられ壊れてしまうことです。
「破損」に使われている漢字に目を向けてみると、壊れたりやぶれたりすること、「損」は欠ける、失うことを意味しています。
また、どちらも傷つくという意味を持っています。
このことから熟語の「破損」は、傷つけられたために欠けたり壊れたりする様子を表していることが分かります。
具体的には、道具や器具が物理的な衝撃を受けたために、欠ける、割れる、壊れるなどして形や機能が損なわれてしまう様子を指す言葉となっています。
「破損」の例文
・『ボールをぶつけて窓ガラスを破損してしまった』
・『故意に物品や施設を破損すると罪に問われます』
「損傷」と「故障」と「破損」の違い
「損傷」と「故障」と「破損」は、いずれも「ものが傷つき壊れる様子」を表していますが、状況や使われ方は異なります。
「損傷」と「破損」は「ものが傷つけられ欠けたり損なわれたりすること」を表すのに対し、「故障」は「壊れて機能しなくなる」というニュアンスが強いです。
また「損傷」と「故障」は器物にも人・動物の身体にも使える言葉ですが、「破損」は身体に対しては使わないところが「損傷」と「故障」と異なっています。
まとめ
「損傷」「故障」「破損」は、壊れることに関する言葉ですが、意味や使われる状況はそれぞれ違うことを覚えておきましょう。