「適用」と「適応」と「適合」の違いとは?分かりやすく解釈

「適用」と「適応」と「適合」の違い生活・教育

「適用」「適応」「適合」は見た目も韻も似ていて、まぎらわしい印象がありますが、どのような違いがあるのでしょうか。

この記事では、「適用」「適応」「適合」の違いを分かりやすく説明していきます。

「適用」とは?

「適用」【てきよう】とは、ある事例に固有の条件を用いることです。

「適用」に使われている漢字の意味を見てみると、「適」にはふさわしい、かなうという意味、「用」には使う、役立てるという意味があります。

これらを組みあわせた「適用」「ふさわしい条件を取り上げて用いること」を表しています。

「適用」は、固有の条件をある事例にあてがって使うことを表し、物事を決めるとき、実施するときに固有の規則、原理、方法などを当てはめて運用することを指します。


「適用」の例文

・『10月から新しい税率を適用する』
・『クーポンを使うと5%割引が適用される』


「適応」とは?

「適応」【てきおう】とは、条件や環境によく合っていること、合わせていることです。

「適応」「適」はちょうど合う、ふさわしいという意味、「応」はあわせて動くという意味があります。

これらを組み合わせた「適応」は、ある事象によく合っている、つり合うように合わせていることを表しています。

「適応」は、あるものが意図的に条件や環境にすり合わせる状況を指します。

ニュアンスとしては、もとは異なる性質を持っていたものが、状況に合わせて自らを変化させ、違和感なくなじんでいるイメージです。

「適応」の例文

・『時代の変化に適応した生き方が求められる』
・『その生物は適応能力が高く、どのような過酷な環境にも耐えることができる』

「適合」とは

「適合」【てきごう】とは、特定のあるものの要件を満たすこと、条件に一致することです。

「適合」「適」にはかなう、「合」にはあう、あわせるという意味があります。

「適」「合」はどちらもあうこと、かなうことを意味し、これらを組み合わせた「適合」は、条件を満たしてぴったり合っている状況を表しています。

「適合」は、あるものが一定の条件に合っている、状況が一致することです。

主に、製品の品質や特性、人の持つ技術のレベルが一定の基準に当てはまる状況を示します。

「適合」の例文

・『血液型が適合するドナーを探している』
・『品質が基準に適合していることを証明する』

「適用」と「適応」と「適合」の違い

「適用」「適応」「適合」は共通して「ある条件によく合っていること」を表していますが、状況は少しずつ違います。

「適用」は、ある規則や条件を事例に合わせて使うことです。

「適応」は、ある条件や状況に合わせることです。

「適合」は固有の条件や基準に合っていること、ぴったりと合致することです。

「適用」は事例にかなう条件を持ち出して当てはめるのに対し、「適応」はある条件と同じになるようにすり合わせていくところが異なります。

また「適合」はあるものとあるものの条件がぴったりと合致することであり、「適用」「適応」とはニュアンスが違います。

まとめ

「適用」「適応」「適合」は、漢字の「適」が付くところと「ある条件によく合ってこと」を表すところが共通しているのですが、ニュアンスは微妙に違うことを説明しました。

これらの違いを把握して適宜使い分けていくようにしましょう。