日本の伝統的な楽器のひとつに三味線がありますが、その材質には代表的なものに「花梨」「紫檀」「紅木」とがあります。
これらの材質による違いはどこに在るのでしょうか。
この記事では、三味線の材質の「花梨」と「紫檀」と「紅木」の違いを分かりやすく説明していきます。
「花梨」【かりん】とは?
「花梨」とは、タイやミャンマーなどを原産とするマメ科の高木です。
主にお稽古用や初心者用の三味線に使われることが多い木材です。
木質が柔らかくて加工しやすいので「花梨」「紫檀」「紅木」の中では一番安価な材料ではありますが、反面、棹(長い持ち手の部分)に使う場合には歪みが生じやすいデメリットがあります。
ただ、胴(皮が張られている周りの部分)には柔らかい木質が適していることから、花梨材が使われることが多くあります。
黄土色っぽい色をしています。
「紫檀」【したん】とは?
「紫檀」とは、インド南部やスリランカなどを原産とするマメ科の高木です。
お稽古用や舞台用の三味線に、幅広く使われている木材です。
「花梨」よりも堅い木質で歪みにくく適度に重い為、棹の材質として適した木材です。
位置づけをするとしたら、「花梨」の三味線が初級としたら「紫檀」の三味線は中級といった位置づけになります。
色は茶色っぽい色をしています。
ちなみに、「紫檀」の次に堅い木材は「紅木」とされていますが、中には「紅木」よりも堅いものも存在します。
「紅木」【こうき】とは?
「紅木」とは、インドやミャンマーなどを原産とするマメ科の高木です。
棹に使われる材質は密度が高く重くなるほど、弦を鳴らした後の音が消えにくく力強い良い音が出るとされています。
その為、木の密度が高く堅い「紅木」は棹の材質としてはとても適した木材です。
そして、特に密度の高い部分には「トチ」といわれる独特の縞模様が現れ、このような材質の三味線はより高級なものとして扱われています。
三味線用に育てられている「紅木」まであり、どれ程高級かがうかがえます。
上級者用としての位置づけの「紅木」の三味線は、全般的に赤黒い色をしています。
三味線の材質の「花梨」と「紫檀」と「紅木」の違い
「花梨」とは、「初心者用の三味線の棹に使われることが多い柔らかい黄土色の木材」です。
加工がしやすいこともあり、3つの中では一番安価です。
「紫檀」とは、「中級者用の三味線の棹に使われることが多いやや堅めの茶色の木材」です。
「紅木」とは、「上級者用の三味線の棹に使われることが多いかなり堅めの赤黒い木材」です。
ただ、胴の部分に関しては「花梨」が使われることが多くなります。
棹の材質が柔らかいと音色も柔らかい印象に、材質が堅いと音色は力強く迫力がある印象に変わります。
まとめ
三味線の材質の「花梨」と「紫檀」と「紅木」について述べてきましたがご理解いただけましたでしょうか。
三味線に限らず楽器というのは調べていくと奥が深いものです。
この記事をきっかけに、他の楽器について調べてみても面白い発見があるかもしれません。