「奢る」と「驕る」と「傲る」の違いとは?分かりやすく解釈

「奢る」と「驕る」と「傲る」の違い生活・教育

パソコンやスマホでの入力が増えている現代では、同音異義語の誤字が増えています。

それぞれ全く意味が違う上に、普段使われない難しい字だと、相手に意味が伝わらないことも多いので、意味をしっかり把握して使い分けることが重要です。

この記事では、「奢る」「驕る」「傲る」の違いを分かりやすく説明していきます。

「奢る」とは?

「奢る」とは自分のお金で他人に物や食事などを振る舞うことです。

元々は不要なほどに贅沢をしている様子、過剰に羽振りのいい様子という意味の言葉で、増長している事を指す悪いニュアンスのある言葉でした。

それから転じて人の分まで自分がお金を出すという意味で使われるようになり、悪いニュアンスは含まれなくなっています。

現在では、特に誰かと食事に行った時に、一緒に食事した人の分までお金を出すことを「奢る」と言う使い方が、一番一般的な使い方です。


「驕る」とは?

「驕る」とは自分の地位や能力、財産などを鼻にかけて、それを根拠に思い上がって増長した態度を取ることです。

いわゆる調子に乗っている状態や、成功を収めたり褒められて天狗になることが「驕る」ことと言えるでしょう。

「驕る」という言葉は自分の才能や権力を誇りわがままに振る舞うことという意味なので、実際に才能や地位が高いかどうかは関係ありません。

実際には世の中を見れば上には上がいる、いわゆる井の中の蛙でも、それを根拠に調子に乗っていれば、「驕っている」と言えます。


「傲る」とは?

「傲る」という言葉も能力や権力を誇って、好き勝手に振る舞うという意味で、「驕る」と意味は変わりません。

ただ人を侮る、礼儀を欠くことを指す傲慢という言葉に使われている通り、傲という字には見下すという意味があります。

誇りに思う、得意げという意味の字を使い、自分が優れているからと鼻にかけ好きに振る舞う「驕る」に対して、「傲る」は相手が自分より劣っているから自分勝手に振る舞うという、相手を見下すニュアンスが前に出ている言葉と言えるでしょう。

「奢る」と「驕る」と「傲る」の違い

「奢る」は過剰な贅沢をするという意味でしたが、現在ではそう言った意味では使われることは少なく、人に食事や物を買い与えるという意味になっています。

「驕る」「傲る」はどちらも自分の社会的立場、権力、財力や能力を誇って、好き勝手わがままに振る舞うという意味です。

意味はほとんど同じですが、使われている漢字から、「驕る」は自分が優れている事を鼻にかけている様子、「傲る」は他人が劣っているから見下している様子というニュアンスがあります。

まとめ

相手にごちそうするという意味で「奢る」と言おうとしたのに、「驕る」「傲る」と誤変換してしまうと、意味が伝わらないことも度々あります。

「驕る」「傲る」は普段あまり使われない言葉ですが、相手の分もお金を出すことは「奢る」、調子に乗っていることは「驕る」「傲る」としっかり使い分けましょう。