現代社会は様々な約束事によって構築されています。
しかしそう言った約束事を指す言葉にも、「契約」と「誓約」と「盟約」などがあり、何がどういう意味かわからない人は非常に多いでしょう。
この記事では、「契約」と「誓約」と「盟約」の違いを分かりやすく説明していきます。
「契約」とは?
「契約」とは当事者たちが合意の上で、法的な権利や義務を発生させる約束事のことを指します。
例えば仕事の「契約」は、片方が相手に仕事の成果物を渡す代わりに、相手は主に金銭などの報酬を渡すという約束を、法律が保証しているというものです。
法的な保証があるというのが「契約」の前提なので、もし「契約」を破った場合、破った側は法的措置で罰せられます。
会社員の雇用や仕事の請負、住宅物件の賃貸から日常的な買い物等は全て「契約」で法的に保証されているものです。
法治国家の生活は「契約」により成り立っていると言えます。
「誓約」とは?
「誓約」とは誰かが別の誰かに対し、何かを固く誓う形の約束事です。
「誓約」はする側が一方的に行うもので、「誓約」される側の同意は必要ありません。
こういう事をする、もしくはこういう事はしないと誓い相手に宣言したり、書面に残して相手に渡すなどによって「誓約」は結ばれます。
「誓約」は約束事であり、当事者はそれを守ろうとしますが、それを守ることについては何の保証もなく、基本的には罰もありません。
そのため相手が誓ってきた「誓約」が、相手の都合で破られることもあります。
「盟約」とは?
「盟約」も固く誓って約束することやその約束自体を指す言葉で、その点では「誓約」と変わりません。
ですが「盟約」は一方的に行うものではなく双方が合意の上で結ぶ約束事であり、一般的に組織と個人間か、組織と組織間で結ぶものというのが「誓約」との違いです。
「盟約」にも組織の威信しか守られる根拠はありませんが、破れば組織の面子や名前を傷つけかねないので、「盟約」も守られます。
また破られるわけには行かない取り決めがある場合には、「盟約」を結んだ上で法的に保証される「契約」を結ぶこともあるでしょう。
「契約」と「誓約」と「盟約」の違い
「契約」は双方の合意があることを前提に、法律によって保証された約束事で、破れば法によって罰を受けます。
「誓約」は一方的に固く誓った約束事で、「誓約」される相手の同意は必要なく、また何らかの都合で約束した側が破っても罰を受けないこともあるでしょう。
「盟約」も固く誓う約束事ではありますが、双方が合意していることと、組織間や国家間など、約束する当事者の規模が大きいことが「誓約」との違いです。
まとめ
約束事の形はいくつかありますが、やはり双方の同意と保証があるかどうかは非常に重要なので、社会的な約束事は「契約」が基本になっています。
「契約」は個人でも日常的に結ぶ機会は多いですが、「誓約」や「盟約」を個人で結ぶことは少ないでしょう。