人との関係を表現する言葉として、「家族」と「親族」と「身内」というものがあります。
日常会話の中でしばしば登場する機会があるこれらの言葉ですが、三つの言葉の違いは一体どこにあるのでしょうか。
この記事では、「家族」と「親族」と「身内」の違いを分かりやすく説明していきます。
「家族」【かぞく】とは?
「家族」とは、婚姻によって結ばれた夫婦関係にある者や非常に近しい血縁関係にある者のことを指した言葉です。
一般的に、自分と直系の血縁関係を持つ者や配偶者のことを「家族」と言います。
ですが、民法では「家族」の定義を宣言したものはなく、主観的要素の大きい言葉でもあります。
ですから、たとえば、同じ家に長く住んでいるという理由で、血縁関係にない者でも「家族」と言う人もいるでしょうし、別の家に住んでいる甥っ子のことを「家族」と言う人もいるでしょう。
「家族」の例文
・『血の繋がりはないけれど、家族同然の付き合いです』
・『家族とは、社会の中で生活していく為の最小の集団構成です』
・『雇用保険法や関税定率法では、家族の定義を定めています』
「親族」【しんぞく】とは?
「親族」とは、血縁関係や婚姻によってつながった人々のことを指した総称になります。
民法では、「6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族」と定義が定められています。
ですから、6世代離れた祖先や子孫、配偶者の3世代離れた祖先なども「親族」となります。
「家族」は、「親族」の中に含まれるものです。
「親族」の例文
・『親族といっても会ったことはありません』
・『いったいどこまでを親族というのかわかりません』
「身内」【みうち】とは?
「身内」とは、家族や近しい血縁関係にある者、また、同じグループで関係がある者のことを指した言葉です。
血縁がなくても、とても近しい関係にあれば「身内」と言えます。
たとえば、会社の同じ部署の特に仲のいい数人程度のグループの間でも「身内」という言葉は使われます。
法律で定められた定義はありません。
「身内」の例文
・『まだ身内だけの話だが、〇〇さんはもうすぐ会社を辞めるらしい』
・『両親は、家族でもあり親族でもあり身内でもある』
「家族」と「親族」と「身内」の違い
「家族」と「親族」と「身内」の違いを簡単に言うと。
「家族」とは、「夫婦関係にある者、直系の血縁関係にある者」を指した言葉です。
主観的要素の大きい言葉で、人によって「家族」の使われ方が違う場合があります。
「親族」とは、「血縁関係や婚姻でつながった人々の総称」を意味した言葉です。
民法で定められた定義があります。
「身内」とは、「非常に近しい関係にある者」を指した言葉になります。
法律で定められた定義はなく、主観的要素のかなり大きい言葉です。
まとめ
「家族」と「親族」と「身内」の違いを紹介してきましたが認識していただけましたでしょうか。
三つとも日常会話でよく使う言葉ですので、頭の片隅にでも覚えておいてもらえると嬉しい限りです。