「解雇」と「免職」と「罷免」の違いとは?分かりやすく解釈

「解雇」と「免職」と「罷免」の違いとは?ビジネス・就職・転職

何か大きな問題を起こしてしまった人に対しての処分として、「解雇」「免職」「罷免」というものがあります。

テレビのニュースや新聞記事の中で目にすることもあるこれらの言葉ですが、果たして違いはどこにあるのでしょうか。

この記事では、「解雇」「免職」「罷免」の違いを分かりやすく説明していきます。

「解雇」【かいこ】とは?

「解雇」とは、使用者側から雇用契約を解除することを意味します。

簡単に言ってしまうと、クビです。

一般的には、従業員が社内社外問わず何か問題を起こしたり、社内での勤務態度が著しく悪かったり、他の従業員と揉め事を起こしてしまったりした時に、使用者側の判断で一方的に雇用契約を解除するものです。

ですが最近では、会社の経営状態の悪化により「解雇」されてしまうようなケースも少なくありません。


「解雇」の言葉の使い方

会社の経営状態の悪化により「解雇」されてしまうケースは、一般的に「リストラ」などと言われていますが、「リストラ」という言葉には、直接「解雇」と結びつくような意味はありません。

「リストラ」は、会社の再構築の意味で、様々な費用を削減し会社を立て直す意味合いの言葉ですが、近年、人件費カットを目的とした「解雇」する会社が多くなった為、「解雇」イコール「リストラ」という図式が定着しました。


「免職」【めんしょく】とは?

「免職」は、意味合いとしては「解雇」と同じようなものですが、公務員に対して行うものになります。

公務員なので雇用契約の解除ではなく、職を失わせるという意味合いです。

教師や役所勤めの人などが何か問題を起こしてしまった時に、懲戒処分のひとつとして「免職」があります。

「免職」の言葉の使い方

懲戒処分は「免職」の他に、「停職」「減給」「戒告」というものがあり、国家公務員法82条に定められるものです。

「免職」は、これらの処分の中で一番重いものであると言えます。

また、「免職」は公務員に対して行うものなので、経営状態の悪化で行われることはありません。

「罷免」【ひめん】とは?

「罷免」は、公務員の特別職の任を解くことを意味します。

公務員の特別職とは、国務大臣や裁判官といった職のことです。

「罷免」の言葉の使い方

例えば、国務大臣が何か問題を起こしたり、極めて不適切な発言をしたことに対しての処分として、職務を辞めさせるということがあります。

ですが、大臣を「罷免」させる権利は内閣総理大臣しか持たず、その権利のことを「罷免権」と言います。

これは、日本国憲法第68条に定められているものです。

「解雇」と「免職」と「罷免」の違い

「解雇」とは、「使用者側から雇用契約を解除する」ことを意味した言葉です。

「免職」とは、「公務員の職を辞めさせる」ことを意味した言葉です。

「罷免」とは、「公務員の特別職を辞めさせる」ことを意味した言葉です。

まとめ

「解雇」「免職」「罷免」について述べてきましたが、理解して頂けましたでしょうか。

どれも辞めさせることを指した言葉ですが、対象が違いました。

毎日誠実に生活して、これらの言葉が自分のこととならないようにしたいものです。