この記事では、「玄米」と「発芽玄米」と「五穀米」の違いを分かりやすく説明していきます。
「玄米」とは?
「玄米」【げんまい】とは、白米に精白していない米のことです。
もみ(稲の果実)の表面にあるもみ殻を取り除いた状態にあたります。
私たちが主食として食べている白い米は「精白米」といい「玄米」の表面に付いている「米ぬか」を取りぞいたものです。
「玄米」は米ぬかが付いているため淡褐色をしており、炊いたご飯は米ぬか特有のにおいと滋味が感じられます。
日本人は古くから「玄米」を主食としてきましたが、江戸時代から「玄米」より味の良い精白米が普及していきました。
「玄米」はビタミンB群、ビタミンE、ミネラルなどを豊富に含み精白米より栄養価が高いため、近年は健康食としてその価値が見直されています。
精白米に比べ、硬くて消化が悪い、食味やにおいが良くない、といった短所もありますが、精製や炊飯の技術が進化し、精白米に近い感覚でおいしく炊けるようになってきました。
「発芽玄米」とは?
「発芽玄米」【はつがげんまい】は、その名のとおり発芽させてある「玄米」のことです。
「玄米」より食べやすく栄養価が高いことから、手軽な玄米食として人気が高まっています。
「発芽玄米」は「玄米」を水に漬けてわずかに出芽させたもので、1990年代から商品として販売されるようになりました。
発芽させるとで硬い「玄米」が柔らかくなり、炊飯しやすく食味が良くなるメリットがあります。
また「玄米」よりも健康成分のギャバ(ガンマ-アミノ酪酸)が増えることから、健康食としても注目されています。
炊飯したご飯はもちもちしているため、精白米に近い食味が楽しめます。
「五穀米」とは
「五穀米」【ごくまい】とは、精白米にあわや豆などの「五穀」を混ぜた米の通称です。
5種類の穀物がブレンドされた米を指すこともあります。
五穀とは、米や麦、とうもろこしや豆といった主食になる穀物の総称です。
一般には米以外のイネ科の穀物(あわ、きび、麦など)や大豆、小豆などを指します。
五穀米は精白米よりもさまざまな栄養が含まれるため、健康に良いことで人気が高まっています。
そもそも人は大古からあわ、ひえなど米以外の「雑穀」を主食にしてきました。
米や麦が普及してから雑穀はあまり食されなくなりましたが、米や麦より栄養価が高く素朴な味わいが楽しめることから、米に雑穀を混ぜた「雑穀米」の人気に火が付いたのです。
広義には雑穀米と五穀米は同じものといえますが、穀類が5種類ブレンドされている雑穀米を「五穀米」と呼ぶ場合もあります。
「玄米」と「発芽玄米」と「五穀米」の違い
「玄米」「発芽玄米」「五穀米」は、いずれも精白米より栄養価が高いことで注目される米の製品で、それぞれ特徴が異なります。
「玄米」は精白していない米のことで、米ぬかが付いているため栄養価が高く、特有のにおいや食べにくさがあります。
「発芽玄米」はその「玄米」を食べやすくするため出芽させた製品です。
ギャバが多いことでも注目されています。
「五穀米」は米に五穀を混ぜた製品のことです。
雑穀が混ざっているため特有の食感や風味が楽しめ、精白米よりも栄養が高いので人気が高まっています。
まとめ
「玄米」「発芽玄米」「五穀米」は、「健康に良いご飯」「白ご飯以外のご飯」とひとくくりにされがちですが、比べてみると特徴は異なります。
さまざまな製品が店頭に並んでいるので、実際に食べ比べてみるのも面白いでしょう。