「イモリ」と「ヤモリ」と「トカゲ」の違いとは?分かりやすく解釈

「イモリ」と「ヤモリ」と「トカゲ」の違い言葉の違い【3語】

「イモリ」「ヤモリ」「トカゲ」
いずれも同じ種類の動物のように感じますが、何か違いはあるのでしょうか?

この記事では、「イモリ」「ヤモリ」「トカゲ」の違いについて分かりやすく説明していきます。

「イモリ」とは?

「イモリ」は川や池、水田などの水辺に生息する「夜行性」「両生類」です。

漢字表記だと「井守」と書き、井戸や田んぼの害虫を捕食してくれるため、井戸を守ることから「井守」と呼ばれるようになったそうです。

ウロコや爪は持ちませんが、代わりにヌルヌルと湿った体表と水かきを持ちます。

また、「イモリ」には「テトロドトキシン」と呼ばれる毒を持つ種類が多く、腹部が赤いのは警戒色であると考えられています。

加えて、「イモリ」の特徴として有名なのが、脊椎動物の中でも随一の高い再生能力を持つことです。

尻尾が切れても、骨まで完全に再生することができ、四肢や目のレンズまでも再生することができると言われています。

イモリは「自切」(トカゲなどが、外敵から身を守るために、尻尾などを自ら切り捨てる行動)を行いませんが、「自切」を行う「トカゲ」でも尾骨までは再生しません。

ちなみに、昔の日本では「イモリの黒焼き」「惚れ薬」として知られ、販売もされていたようです。


「ヤモリ」とは?

「ヤモリ」は主に人家や、その周辺に生息する「夜行性」「爬虫類」です。

特に人家の壁や窓に張り付いている姿を多く見かけることができます。

漢字表記では「家守」「守宮」と書き、人家の害虫を捕食してくれるため、家を守ると考えられていました。

後述する「トカゲ」の一種であり、「トカゲ」と同じくウロコや爪を持ちますが、まぶたを持ちません。

また、「ヤモリ」も危険を感じると自分の尻尾を自ら切り離す「自切」を行います。

一方、「ヤモリ」には足の裏に「趾下薄板(しかはくばん)」を持ち、垂直な壁やガラスなどにも張り付くことが可能となっています。


「トカゲ」とは?

「トカゲ」とは「爬虫類」の生き物であり、「爬虫類」の中では最も多い4,000以上の種類が確認されています。

生態も種類によって様々であり、先述した「ヤモリ」「トカゲ」の仲間です。

漢字表記だと「蜥蜴」「石竜子」と書きますが、名前の由来は戸の陰にいることから「戸陰(とかげ)」や素早く走って隠れることから「敏駆(とかけ)」とする説が挙げられています。

ウロコや爪を持つほか、一部には毒を持つ種類もいます。

また、「トカゲ」の特徴として有名なのが、危険を感じた時に尻尾を自ら切り離す「自切」を行うことです。

それになぞらえて、日本では、格上の者が格下の者に責任を被せて追及から逃れることを「トカゲの尻尾切り」と言います。

まとめ

「イモリ」「ヤモリ」「トカゲ」の違い
「イモリ」
・両生類
・夜行性
・水辺に生息
・ウロコがなく、体表は乾燥を防ぐためにヌルヌルと湿っている。

・水かきを持つが、爪を持たない。

・まぶたがある。

「テトロドトキシン」という毒を持っており、警戒色である赤い腹部を持つ。

「自切」はしないが、高い再生能力を持っている。

「ヤモリ」
・爬虫類
・夜行性
「トカゲ」の一種
・人家や、その周辺に生息
「トカゲ」と同じくウロコや爪を持つが、まぶたを持たない。

・足の裏に壁などに張り付くための「趾下薄板」がある。

「自切」をする。

「トカゲ」
・爬虫類
・4,000以上の種類があり、「ヤモリ」もそのうちの一種。

・種類によって生態は様々で、陸上の色んな場所に生息している。

・おもな種類はウロコや爪、まぶたを持ち、種類によっては「自切」をする。