「協力」と「支援」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「協力」と「支援」の違いビジネス・就職・転職

この記事では、「協力」「支援」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「協力」と「支援」の違い

「協力」とは、2人以上や2団体以上が共に力をあわせて事にあたることです。

「支援」とは、困難な状況にある人に力を貸すことです。

「協力」の場合は共に力を出し合っていますが、「支援」の場合は共に力を出しているのではなく、助ける側と助けられる側という関係ができています。

この点が違う言葉です。

たとえば、ある村の橋が壊れてしまったので、作り直すことになったとします。

そこで、外部から人がやってきました。

村の人たちと外部の人たちが共に力を出して橋を作ることは「協力」といえます。

村には橋を作るための材料はなく、それらを購入する費用もなく、また技術もありませんでした。

困っている様子を見て外部の人たちがやってきて、外部の人たちだけで橋を作ることになりました。

村の人たちは何もすることができず、見ているだけです。

このような状態は共に力を出しておらず、困っている状態に力を貸してもらっているので「支援」になります。


「協力」と「支援」の使い方の違い

「協力」は共に力を出して事にあたる場合に使用をします。

「共に」なので、2人以上、2団体以上がかかわっていることになります。

一方的に力を貸してもらっている場合には「協力」は使用しません。

「支援」は、困難な状態にある人が力を貸してもらっている場合に使用をします。

困難な状態にある人は、力を貸してくれている人と共に何かをするのではありません。

力を貸してくれる人や団体は、1人や1団体のこともあれば、それ以上のこともあります。


「協力」と「支援」の英語表記の違い

「協力」は英語で“cooperation”と表記をします。

「支援」は英語で“support”と表記をします。

「協力」の意味

「協力」とは、力を合わせて事にあたることです。

「合わせる」には、2つ以上のものを1つにする、一致させるという意味があるので、「協力」は2人以上、2団体以上がかかわっていることになります。

力をあわせるというと、困難な状態を解決するために力をあわせることが想像されますが、「協力」は困難な状態のことだけを指しているのではありません。

たとえば、災害があったときには、被災者とボランティアが一緒に地域の復興活動をすることがあるでしょう。

これは困難な状態の解決のために、力を合わせていることになります。

文化祭のとき、クラスの生徒みんなが力を合わせて準備をします。

これは困難なことではありませんが、こういったことも「協力」です。

「協力」の使い方

力を合わせて事にあたることに使用されます。

力を合わせる場面は数々あるので、さまざまな場面で使用されています。

職場では、ある目標に向かって社員同士、あるいは他社と一緒に事にあたることがあるでしょう。

これも「協力」です。

アウトドアでは、誰かと一緒にテントをはったり、誰かと一緒に食事を作ったりすることが珍しくありません。

これも「協力」です。

さまざまな場面で使用することができます。

「協力」を使った例文

・『協力してくれる人がいない』
・『協力をして大掃除をする』
・『協力してくれる人を募集している』
・『協力して炊事をする』

「協力」の類語

「協同」「提携」が類語です。

「協同」には複数の人や団体が心や力を合わせて事にあたるという意味があり、「提携」には互いに助け合うことという意味があります。

「協力」の対義語

打消しの意味の「非」をつけた「非協力的」が対義語です。

「支援」の意味

「支援」とは、困難な状態にある人を助けるために力を貸すことです。

力の貸し方は、間接的な場合も直接的な場合もあります。

開発途上国では、学校に通いたくても通えない子どもが少なくありません。

そもそも、学校がないこともあります。

このような地域に対して、資金を出したり、学校を建設したりして、手助けしている団体があります。

学校が立てられることになったその地域の人たちは、自分たちで資金を出しているわけではないので、共に力を出し合っているわけではありません。

このように助けられる側と助ける側があり、力を貸すことが「支援」です。

「支援」の使い方

困難な状態にある人を助けることに使用をします。

助け方は、間接的な方法、直接的な方法を問いません。

資金を出すけれどその資金を出す活動に携わらない場合は、間接的な方法といえます。

実際に行動をするのは直接的な方法です。

「支援」を使った例文

・『資金を出して支援をする』
・『独立を目指す運動を支援する』
・『被災地の復興を支援する』
・『多くの団体が支援にかかわる』

「支援」の類語

「援助」が類語です。

困っている人を助けるために、物や資金を出すという意味があります。

「支援」の対義語

対義語はありませんが、何もしないという意味で「放任」が対義語に近い言葉になります。

まとめ

「協力」は共に力を出すこと、「支援」は助けることで、意味が似ているようでも違う言葉です。