時間は1秒1秒進んでいき、徐々にいろいろな事が変化していきます。
その変化がはっきり目に見えるものもあれば、目に見えづらいものもあります。
そのような時間と変化を表現する言葉として、「変遷」と「推移」と「遷移」というものがあります。
同じような響きを持つ言葉ですが、違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「変遷」と「推移」と「遷移」の違いを分かりやすく説明していきます。
「変遷」【へんせん】とは?
「変遷」とは、時間の経過とともに移り変わること、またはその移り変わりを指す言葉です。
「変」は変化することを意味し、「遷」は移り変わりを意味しています。
都を移す「遷都」、お宮を移す「遷宮」などといった言葉もあります。
「変遷」の意味にある時間の経過とは、数分数時間という短時間のものではなく、数年数十年あるいは数百年という長い時間軸のことを言っています。
その長い時間の経過の中で、食生活や文化などが変化することを意味した言葉です。
「変遷」の例文
・『人々の食生活についての、変遷の歴史を探究する』
・『日本人が着るものは、着物から洋服へと変遷していった』
「推移」【すいい】とは?
「推移」とは、移り変わっていくこと、時間が経過していくことを表した言葉になります。
時間の経過と移り変わることが一緒に起こる「変遷」と違い、「推移」は移り変わること自体、時間が経過すること自体を指しています。
例えば、ある事柄が時間経過で変化していなくとも「推移」ということになります。
「推移」の例文
・『前年からの売上の推移を見ているが、大して変わっていない』
・『労働者人口は右肩下がりに推移している』
「遷移」【せんい】とは?
「遷移」とは、理学的情報工学的に、ある事柄が時間の経過とともに変化していく過程を表した言葉です。
専門的に使われる言葉になるので、日常会話では使われることの少ない言葉です。
例えば、生態学における「遷移」とは、植生の遷移というものが代表的なものとして挙げられます。
ある何も生えていない土地において、時間の経過ととも植物が生え集団を形成します。
さらに、形成している植物の性質も環境に適応し移り変わっていきます。
「遷移」の例文
・『遷移とは、専門的な言葉で普段の会話ではあまり使われません』
・『ある土地の植物の集団が時間の経過とともに移り変わることを、植生の遷移言います』
「変遷」と「推移」と「遷移」の違い
「変遷」とは、「長い時間経過とともに移り変わる」ことを指します。
「推移」とは、「時間の経過」を表した言葉です。
たとえ変化していなくても、「推移」です。
「遷移」とは、「(専門的分野において)ある事柄が時間経過とともに移り変わる」ことを表しています。
まとめ
「変遷」と「推移」と「遷移」について説明してきましたが、わかりましたでしょうか。
微妙な違いで分かりづらい部分もあったかもしれませんが、この記事を読んで、何かのお役に立てて頂けたら幸いです。