この記事では、「逸材」と「天才」と「秀才」の違いを分かりやすく説明していきます。
「逸材」とは?
「逸」という漢字は、抜きんでるという意味があります。
漢字の成り立ちでいうとうさぎが逃げることを表しており、うさぎの足の速さをイメージした言葉がたくさん生まれました。
その中で逸材という言葉は、人よりも抜きんでた才能を生まれ持つ人、またはその才能のことを意味します。
人並み以上の才能を生まれながらにして持つ人、またはその才能自体のことです。
「逸材」の例文
・『この絵を描いた人物は10年にひとりの逸材だ。』
・『今回の日本代表は逸材ぞろいで、大会優勝の可能性もあるだろう。』
「天才」とは?
天才とは、生まれつきの優れた才能のこと、またはその才能を持った人の意味です。
学問や芸術などの分野において、誰しもが努力をしているにも関わらず、その努力の届かない域まで能力を発揮できる人物のことを主に意味します。
歴史や社会に影響を及ぼすようなレベルの能力のことを、天才ということが多くなっています。
「生まれ持った才能」「天が与えた才能」と、その人の努力ではなしえないような特別な能力を持つ人という意味あいが強いです。
「天才」の例文
・『彼は数学の分野において天才的なセンスの持ち主だ』
・『こんな難しい問題が解けるとは、この子は天才なのかもしれない』
「秀才」とは
秀才とは、言葉の由来が古代中国の歴史上の試験である科挙から来ています。
科挙は役人の試験であり合格がとても難しく、合格した人のことを秀才と呼んでいました。
言葉の由来から、特に優れた努力や勉強、訓練によって手にした才能のことを指します。
「秀才」の例文
・『有名中学の同級生は秀才ぞろいだった』
・『たゆまぬ努力をした秀才にはかなわなかった』
「逸材」と「天才」と「秀才」の違い
『逸材』は、「人よりも抜きんでた才能」のことをさします。
学問だけではなく、芸術・スポーツの分野でも使う言葉です。
そして『天才』は、「天が与えた才能」という意味があり、普通では「理解できない才能」ともいえます。
同じ「持って生まれた才能」であっても『天才』は人よりも違うことや到底考えられない才能を指すときに使うのです。
もちろん、学問・芸術・スポーツどの分野でも使うことができます。
また、『秀才』は言葉の由来からも明確に「勉学に優れた才能」といえるでしょう。
まとめ
『逸材』『天才』『秀才』は、それぞれどれが一番上かということではありません。
言葉の由来がそもそも違います。
どうしても、『秀才』は『天才』に敵わないという印象が強いですが、『秀才』自体が勉学に優れた才能という意味なので、比べること自体が違います。
『秀才』は勉強をし努力をして手にすることのできる「優れた才能」であり、『天才』は持って生まれた「特別な才能」という意味があるからです。
『逸材』も「抜きんでた才能」のことを指し、それぞれ三つの言葉のどれが一番上なのか、という言葉での優劣はありません。
言葉の意味を状況に応じて正しく使うことで、人に伝わるイメージも変わってきますので、意識をして使い分けをしてみてください。